【道しるべ】RST40周年 絶やしたくない全国的な交流

2013.12.01 【社説】
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 『RST講座の六日間』という特集記事があった(昭和57年6月25日号)。本誌記者が、中災防・東京安全衛生教育センターの標記講座を密着取材したものである。

 RST(Rodosho Safety and Health Education Trainer=労働省方式安全衛生教育トレーナー)講座は、「職長その他監督的立場にある人たちの安全衛生知識、問題発見・解決能力を高め、実行力を伸ばす」トレーナーを養成するために昭和48年に開設され、受講・修了は〝企業内安全衛生教育担当者へのパスポート〟とも目されていた。6日間にわたる授業(当時)は、講義→討議→指導案作成→教育実技→評価(コメント、修正)というかたちで39時間強、自主討議を加えると48時間を超え、センター講師によるマン・ツー・マンでの課外指導が深夜に及ぶこともあった。

 そのRST講座も今年で40年目となり、大阪安全衛生教育センターを含めた修了者数は10万5000人に達している。相当数に上るトレーナーの輩出は「職長教育の充実をもたらし、労働災害の大幅な減少にも寄与してきた」と評価が高い。同講座を安全衛生担当者に必須の講座、あるいは管理職になるための教育課程の一環と位置付ける企業も多くなったといわれる。その間の産業安全衛生分野の動向変化に合わせ、講座カリキュラムにおいてもリスクアセスメントなどが導入され、今後は「職長教育の講師だけにとどまらず現場の安全衛生を束ねる指導者」の養成範囲を製造・建設業中心の現状から、第三次産業などを視野に置きながら全業種的に広げていくとのことだ。

 しかし一方には、第三者的な立場から見てトレーナー活動の停滞要因にならなければと懸念される状況もある。ほかならぬRSTトレーナー会の解散である。同会は昨年6月「全国組織として一定の役割を果たした」との判断から、以後の組織的な活動を地域単位での自主的展開に委ねることになった。これによって情報交換、研究成果発表の場となっていた季刊誌「RST研究」の発行に続き、研修会開催、各種教材の作成といった会員支援が行われなくなっている。全国的なネットワークによるつながりとトレーナー同士の交流についても、推進主体消失の感がぬぐえない。

 代わりに、これまでの支部組織が交流会、研究会などと改称して地域限定の新たな活動に取り組んでいるようだが、その数は十いくつと聞くだけで少ない。トレーナー相互の資質向上のうえで地域を越えた交流は必要不可欠と考えるのだが、ネット再生への方途はないものだろうか。

平成25年12月1日第2199号 掲載

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