【道しるべ】「ならぬことは…」 ルール厳守の精神を参考に!?

2013.04.15 【社説】
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 「ならぬことは ならぬものです」は、会津藩士子弟グループの「什(じゅう)の掟」7箇条に付されている結びの一節である。NHKの大河ドラマ「八重の桜」で、人を説き伏せるときの有無を言わせぬ決め台詞として度々使われていて知られるようになった。これを早速、話の節目にユーモラスに借用されている方も結構いらっしゃる。

 「ならぬことはならぬ!」と断じての問答無用は、規律厳格な武家身分社会だからこそ通じる感もあるのだが、それが今、一種新鮮に聞こえて関心を向けさせるのは、規律の緩みを印象付ける事象や出来事があれこれ目につくご時世なればこそだろうか。あるいは四の五の御託を並べる手合いを一言をもって片付け事を済ませられたらと羨む向きが少なからずいるからか。

 「掟」の地元(福島・会津若松)ではルール遵守の精神を汲み継いでの「NN(ならぬことは ならぬものです)運動」が展開されているという。青少年による凶悪犯罪・いじめ・暴力事件等々の発生の一因に、人として為してはならぬことに対する教育不足があると見て、それを地域ぐるみで正し、無くしていこうというのが運動の主旨らしい。

 そのNN運動だが、対象と目的こそ違え〝規則に反した行いを正す〟活動として職場安全衛生に転用できぬものかと思う。理由はこうである。

 まず、災害防止への取組みでは5Sの1つとして躾(しつけ)が加わってきていて行動ルールの順守が重視されているものの、徹底に苦慮している現実がある。でありながら、厳しく励行を迫るといった気風も薄くなりがちで、叱り飛ばしながらの躾ぶりを目にすることが少なくなったとされている。そうした中での「ならぬことは~云々」の一喝と戒めは、優しい(手ぬるい?)管理に慣れた現場の人間にとっても刺激になるのではないかと想像される。

 『社会規範は、時代によって変遷することもあります。しかし、その中には変わらない事もあるはずです。……私たちは現代に必要な様々なルールを守るために「ならぬことは ならぬものです」と言える勇気をいつも持ち続けなければならないと思います』とは、NN運動開始に当たってのメッセージだが、言葉のいくつかを安全衛生管理用に置き換えて読むと得心のいくところがあるはずである。

 参考に挙げた幼年者たちによる自主ルール「什の掟」には、違反者への厳しい制裁(詫び、体罰、絶交)もあったから恐れをもって厳守に努めたのだろうが、こちらの方だけは考慮の外としてである。

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平成25年4月15日第2184号 掲載

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