【今週の労務書】『判例から探る不利益変更の留意点――労働条件は引き下げられるか』

2014.08.11 【書評】

肯定・否定双方を網羅

Amazonにリンクします

 どのような場合であれば、労働条件の引下げが認められる余地があるのか――。弁護士である著者が本書のテーマに据えるのは、その一点に限られる。賃金はもちろん、退職金、企業年金、定年制、福利厚生などの多様な項目を挙げ、各々の変更が争点となった裁判例を合理性が肯定されたケース、否定されたケースの双方につき、網羅的に紹介している。

 近年、世相を反映して解雇・リストラや賃下げの”正しいやり方”を指南するマニュアルが数多く出版されたが、本書の趣は全く異なる。いわば不利益変更を巡る争いのデータベースであり、示されるのは「どうすればできるか」ではなく「どのように判断されてきたか」。労使双方にとって、無用な争いを避ける指針となり得る。

(河本毅著、経団連出版刊、TEL:03-6741-0043、3500円+税)

掲載 : 労働新聞 平成26年8月11日第2980号16面

あわせて読みたい

ページトップ