中小の企業風土改革へ/社会保険労務士法人田村社労士事務所 大澤 努

2025.02.02 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人田村社労士事務所 大澤 努 氏

 私が社労士資格を取ったのは、銀行に勤務しているときに、漠然と第二の職場で役に立つかもしれないと思ったからに過ぎない。

 結果的に社労士資格がモノを言い、次の職場として銀行グループの健康保険組合で常務理事を務め、その後、銀行取引先の企業に、財務管理・人事管理の役員として転職することになった。その企業で、業績を維持向上させるための人事制度づくりに邁進した。

 とくに、新入社員の確保と離職防止は喫緊の課題であり、新卒採用に役立つであろう「くるみん認定」、「えるぼし認定」、「健康経営優良法人」の取得に取り組んだほか、離職防止のための人事制度・評価制度・賃金制度の再構築に心血を注いだ。それが今の人事コンサルティング業務の礎となっている。

 また、育児休業後の短時間勤務の期間延長や復職制度創設など、女性を意識した制度づくりや高齢者の継続雇用制度の整備に尽力した。雇用調整助成金をはじめ各種助成金の申請や「解雇無効の訴え」に対する資料づくりも経験した。

 こうした業務を60~68歳で経験してきたが、「社労士の知識」がすべての根底(自信)にあったことは、紛れもない事実であった。

 しかも、すべてのことが法令に準拠するだけでなく、たとえば、働き方改革を進めるうえでも「どう人事制度を整備していくか、またそれが、いかに会社の業績に貢献するか」を課題とし、実践してきた。

 友人からは「どこからそのモチベーションが来るのか」と驚かれるが、会社のため、社員のためを考えると必然的にそうなるのである。60歳過ぎの自分自身のキャリアを5年単位で考え、65歳を過ぎて68歳である現在は、その企業を退職したものの「70歳過ぎは世のため人のために働く」と決めた姿を信じて、田村社労士事務所に所属して「自分のやりたい仕事(人事コンサル)」をやっている。そのため、依然としてモチベーションは下がりようがない。

 自分自身の知識と経験で作り上げてきたものを、さまざまな中小企業で活用すれば、組織風土が変わり、さらには社員一人ひとりの行動変容が起きると信じて仕事をしている。実際に、当所のコンサルを受けたある企業では、「評価」が制度として行える組織図づくりから始まり、評価(実績)によって昇進する人事制度の構築を社長自身が「人事制度元年」として取り組むと公言した。今後ともこうした会社を増やしていきたい。何事も「求めよ、さらば与えられん」を信じて。

社会保険労務士法人田村社労士事務所 大澤 努【栃木】

【公式webサイトはこちら】
https://www.tamura-sr.jp/

令和7年2月3日第3483号10面 掲載
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