「思い込み」が利益損なう/社会保険労務士法人PERSIST 川口 真仁

2024.05.26 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人PERSIST 川口 真仁 氏

 顧問先の社長から、処遇に不満を持つ従業員の問題やモチベーションの維持、パワハラ事案の発生など人事労務問題に関する相談を受けたときの話である。

 私が法的な根拠などを挙げて妥当な対応方法を説明していると、「人間関係が悪化すること、こじらせることって結局はやきもちと思い込みが原因なのだと思う」「これをなくして生産性の高い組織、良い人間関係の会社にしていきたいと考えているので、そうなることができるよう指導願いたい」と返答された。私は不意をつかれたような感覚を覚えた。

 まさにそのとおりである。やきもちや思い込みがなければこんなトラブルに発展することはなかったのではないか。認識の誤りにより損をしていることがあまりに多いのではないか。

 ルールや制度自体に目を向けがちであるが、結局は人であり、その人がある物事をどう認識しているのかによるのだ。同じ物でも見る角度や見る人によって見え方は異なる。風通しを良くし、気持ちを通わせることが労使トラブルの防止につながることは言うまでもない。

 その方法の1つとして、法は就業規則などの社内のルールを労働者に周知することを求めている。

 私は社労士という立場から、社内ルールをその会社の実態に当てはめた運用・理解の仕方や、なぜそのようなルールが必要なのか、ルールを守らない場合のリスクについて、相手の立場に立って説明したいと考えている。すでに起こってしまった事実を法律論に当てはめて分析するだけでは問題の本質的な解決にはならない。労使間、または人と人との間で起こるやきもちや思い込み、認識の誤りによる利益の損失を未然に防ぐことに一役買うことができるようになりたい。

 当法人名のPersistという英単語は「持続する」という意味が代表的であるが、「しつこい」という意味も持つ。当法人としては、組織として持続するとともに、利益(自己にプラスに作用するすべてのもの)や真理をしつこく追求するという姿勢を示している。

 利益を引き寄せる、または自ら創造する機会を失う可能性がある要素はできる限り排除したい。経営資源は、人・物・金そして情報と言われる。情報へのアクセスは容易になりつつあるが、この先、物や金の不足よりも人、つまり人材の不足が経営に危機をもたらすような時代になる。経営における「人」のプロとして、やきもちや思い込み、認識の誤りによる利益の喪失を排除し、利益や真理の追求にしつこく努め、一人でも多くの方の役に立つことができるよう心掛けたい。

社会保険労務士法人PERSIST 川口 真仁【宮城】

【公式webサイトはこちら】
https://persister.jp/

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令和6年5月27日第3450号10面 掲載

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