【今週の労務書】『チェーンストアの労使関係』

2017.06.10 【書評】

埋もれた史実も克明に

 私たちの生活に密着するチェーンストア。その発展史が語られる際、カリスマ経営者の手腕にこそ光が当たっても、労働組合の果たした役割に目が向けられることはまずなかった。その部分に対する正当な評価を初めて試みたのが本書で、とかく闇に埋もれがちな史実なども克明に記され、関係者以外にとっても価値ある一冊だ。

 「対立するのが労組」との一般的認識が覆されるばかりでなく、いつ訪れるか分からない経営の難局を乗り切る際に、「集団的労使関係」が極めて重要であることを思い知らされる。

 今まさに進む「働き方改革」も、現場の実務は労使当事者が担わねばならない。本書を手がかりに、今一度、「労使関係」に思いを馳せてみるのもいい。

(本田一成著、中央経済社刊、TEL:03―3293―3371、4800円+税)

掲載 : 労働新聞 平成29年6月5日第3115号16面

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