【主張】保険料は労使見解尊重を

2021.09.09 【社説】
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 本紙報道によると、雇用調整助成金などの支給額が7月23日時点で4兆円を超えたとしている(関連記事=雇調金支給が4兆円超える 厚労省)。雇調金財源はすでに枯渇状態にあるが、雇用保険料の引上げで対処すべきでないことを再度訴えたい。「緊急事態宣言」などが繰り返され、中小零細企業の経営が厳しいなか、一般会計からの繰り入れで財源を確保する必要がある。

 緊急事態措置などに対応した雇用調整助成金の特例措置については、今後も長期間にわたって継続していくことが重要だが、すでにその支給額は、失業等給付に用いる積立金残高を優に超えている。令和2年度の積立金残高は2兆7000億円(前年度4兆5000億円)である。

 労使双方の見解が指摘する通り、雇調金財源は今後も一般会計から繰り入れることが求められる(関連記事=一般会計で対応を 雇用保険財源の枯渇 労使見解)。労働者側では、「一般会計からの繰り入れによって失業等給付に係る積立金を一定以上の水準に保つべきである」と主張。使用者側も「財源である雇用保険二事業会計の枯渇化は必至な状況である。一般会計による国費で負担することとし、雇用保険二事業会計を含めた雇用保険財政の安定化を確保すべきである」とした。

 3年度の保険料率は、全体が0.9%で、このうち使用者負担分は0.6%(雇用保険二事業分0.3%含む)となっている。雇用保険二事業では、2年度においてすでに2兆8000億円を支出、失業等給付の積立金から5000億円を借入れている。支出額は、平時であった元年度の6倍近くに達した。

 政府は、厳しいコロナ禍にあってもプライマリーバランスの目標を棚上げせず、長期間にわたって緊縮財政方針を第一義に置いているのが実情だ。このため、雇調金財源を雇用保険料の引上げで充当する方向へ進みかねない。緊急時において、企業への助成を企業からの徴収増で賄うのは愚の骨頂である。財源は、労使見解に従うのが筋である。

 1年半近くが経過しても未だに十分な病床が確保されていない現状をみると、宿泊業や飲食業を中心としたコロナ禍による業況悪化は、今後も相当な期間続くことになる。

令和3年9月13日第3320号2面 掲載

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