【道しるべ】4S災害 簡易作業でも繁忙期にはミスが

2011.12.01 【ひのみやぐら】
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 以下は、本誌姉妹誌「月刊・安全衛生ノート」からの要旨転載である。紹介するのは4Sがらみの災害事例。簡易な作業で起こりやすいエラーとして参考になればと思う。

 災害は職場での年末大掃除の際に発生した。可燃ゴミ入りのビニール袋を廃棄物集積場に運ぼうとした男性が、ゴミの中に混じっていたガラス片で左手指の腱を切り一部労働不能(永久障害)になってしまったのである。

 背後要因を含めた発生原因としては、①長いあいだ職場の裏に放置されていたゴミ袋を急に片付けるよう指示されたこと、②ゴミ袋の底に分別ルールに反したガラスの破片が入っていたこと、③袋を持ち上げたとき重さで破れそうになったため素手で袋を抱え持ったこと、④終業時間が迫っていて気が急いていたらしくゴミ袋を乱暴に扱ったこと、などが挙げられている。

 そのときの職場の光景を想像すると、取り残しておいた処理物やら身辺の工具類やらをバタバタと整理にかかっている様子が想い浮かぶ。

 では、被災を防ぐにはどうすれば良かったか、再発を防止する手立てはだが、これに関しては「廃棄物の整理・分別のルール順守を徹底し、収納容器の表示も明確にする」「持ち運ぶ物を過重にしない。無理な運び方をさせない」「通常と違う作業を集中的に行うときは、前もって作業内容を洗い出して計画的に進め、思いつきの急な指示をしない」等々の対応策が示されている。裏を返せば、この職場ではそのあたりへの注意や整理・整頓意識が希薄になっていたということだろうか。

 確かに、日常的な4S(整理・整頓・清掃・清潔)については大した労力を要しないといったイメージがあって、いつもであれば難なくこなせてもいるのだろう。しかし、その作業も一時に集中して少し大がかりに行われたりすると、普段は気にも留めなかった危険の芽が一気に吹き出してきたりする。年末の繁忙期ともなると、その種の非定常的な作業に伴う危険が増すから用心したい。

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平成23年12月1日第2151号 掲載

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