【主張】裁量労働制の早期改正を

2021.07.21 【社説】
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 厚生労働省は、2018年9月から開始した裁量労働制に関する実態調査の結果を明らかにした(関連記事=4割が見直し求める 企画型裁量制で調査 厚労省)。調査に2年以上も費やし、ようやく発表に漕ぎ着けた。多様で柔軟、かつ効率的な働き方の拡大の観点から裁量労働制活用を促進させるため、22年開催の次期通常国会に労働基準法改正案を提出すべきである。

 裁量労働制の見直しに当たっては、紆余曲折があった。企画業務型裁量労働制の対象業務拡大を柱とする労基法改正案が審議されたのは、18年通常国会だった。しかし、当時の安倍総理の「厚労省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」とする答弁が、誤った調査データに基づくものであったことが判明し、野党から強烈な批判を浴びた。この結果、裁量労働制改正部分が、法案から全面削除された。

 厚労省は、実態を把握し直して議論を再開することにし、早速、同年9月から再調査に着手。今年6月になってようやくその結果をまとめたもので、裁量労働制の対象業務拡大に向けた条件が整いつつある。今後、早期に審議会の論議に乗せ、改正案を次期通常国会に提出すべきだ。

 「経済財政運営と改革の基本方針2018」で指摘されているとおり、「力強い経済成長の実現」を「働き方改革」の面から後押しするために、裁量労働制の利用は欠かすことができない。健康確保対策を強化したうえで、徐々に対象業務を広げていく取組みが必要である。

 新たな調査結果では、企画型裁量労働制の適用労働者がいる事業場において「制度を見直すべき」とする割合が4割に達し最も多かった。具体的には、「手続負担を軽減すべき」が77%、「対象労働者の範囲を見直すべき」も72%に上った。法令上規定された業務に限らず、労使で合意した業務を対象として認めるべきとする主張も少なくない。

 過去の紆余曲折は振り返らず新たな調査結果に基づく改正案を早期成立させるよう求めたい。停滞気味の「働き方改革」を前進させて、経済効率化を急ぐ必要がある。

令和3年8月2日第3315号2面 掲載

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