【道しるべ】墜落防止措置 工法と作業行動への留意も必要

2012.03.01 【ひのみやぐら】
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 平成21年の労働安全衛生規則改正は、足場からの墜落・転落災害防止に関する近来にない抜本的な規定強化だった。それによって、同災害の発生割合がきわめて高い建設業では足場の種類に応じた措置に追われたのだが、当初は実施内容の細部についての解釈をめぐって混乱を来す現場も少なくなかった。

 規則改正からまる3年を経て、その取組み状況はどうなったか。厚生労働省が新たに策定した総合対策推進要綱と関連通達では、専門家による検証・評価結果として「(改正規則に基づく措置は)災害防止効果が高く…」としながらも、平成22年度の実施率は前年度より低下し、同じく死亡災害も増加に転じている実態があり、死傷災害の約90%は規則に適合しない足場での発生だったことを明らかにしている。また、適切な措置が施されていても作業者が足場の外側をよじ登る(あるいは伝い降りる)、手すりから身を乗り出して作業するといった不安全行動や、床材・手すりの取付け(緊結)不十分での災害発生も問題事象として挙げられている。

 このため要綱では、規則に基づく措置の徹底はもとよりとして、さらに足場に関連する作業段階(設置計画、組立て、足場上作業の各段階)での留意事項を示し、設備面も含めた安全対策の検討を求めている。例えば高所での足場組立・解体作業を必要としない工法の採用、手すり先行工法の導入、作業床と建地の隙間を少なくする措置、適切な数の昇降設備設置などである。

 足場上での作業時に関しては、手すりの取り外しなどは作業者個人の判断に任せず、作業終了後は元の状態に戻してあることを必ず確認する。安全帯は掛け替え時の墜落防止のため二丁掛けを基本とする、などがある。

 なかには既に励行されているものもあるが、墜落一掃を期するには現状を省みての再確認が必要ということだろう。墜落防止には、構造上の対処もさることながら、工法から行動に至るまでの広範な措置が求められるようだ。

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平成24年3月1日第2157号 掲載

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