【主張】若年年収頭打ちの理由は

2021.06.03 【主張】
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 経済財政諮問会議の有識者議員は、非正規雇用の若年層の年収は300万円で頭打ちの傾向にあるとして雇用・所得環境の引上げを主張している。そのために最低賃金の大幅引上げを打ち出しているが、若年者の「所得環境」の向上にほとんど役に立たないことは明らかだ。政府は、デフレ経済からの脱却を最重要視し、金融緩和とともに大規模財政出動を決断すべき時に来ている。

 若年層を含む勤労者の年収が長期間低迷し、貯蓄もままならない状況にあるのは、日本の将来の成長と発展にとって致命的である。婚姻・出産が拡大しない理由でもある。若年層の賃金水準を優先して引き上げる政策を打たなければならないのは確かだ。

 最も効果的なのは、大規模財政出動による需要創出であり、ほとんど唯一の方法である。これは、世界共通の認識となっているが、日本だけが頑なにプライマリーバランスを信奉し続けている。このままでは、バブル経済崩壊から数えて「失われた40年」が成立しかねない。

 報道によると、アメリカのイエレン財務長官は今年4月、新型コロナウイルス危機に伴う世界経済の恒久的リスクを警告、堅調な景気回復を確保するために主要国は大幅な財政出動を行うべきであると訴えたという。

 そのアメリカは、1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策を実施し、大規模なインフラ投資計画にも取り組んでいる。世界各国が実施した財政出動の総額は、今年1月までに1400兆円余りに達しているという。

 日本では、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」(会長・安藤裕衆院議員)が、先日、二階俊博幹事長と面会し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令などを踏まえ、50兆円規模の補正予算の編成を求める提言を手交した。

 この際、ほぼ問題視する必要のない「財政赤字」を度外視し、自民党若手有志の要求を率直に受け入れるべきである。最低賃金を30円引き上げたところで、経済好循環にはつながらない。

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令和3年6月14日第3308号2面 掲載
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