【道しるべ】受動喫煙 愛煙家は自戒とマナー厳守を

2011.02.01 【社説】
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 あなたは乳幼児の前でタバコを吸えますか?――そう聞かれて、頓着しないと答えられる御仁はそうそういないだろう。なにせ、火の点いた煙草から立ち上る煙(副流煙)には、喫煙者が直接吸い込み吐き出す主流煙よりはるかに多くの3大有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素)が含まれているのである。

 その両煙にさらされての受動喫煙が、タバコと無縁の人に与える悪影響には想像以上のものがある。小児・乳幼児の場合だと、突然死、肺炎・気管支炎、呼吸機能低下につながり、気管支喘息などで長く苦しめるのは“虐待行為”以外の何ものでもないといわれている。

 害をこうむるのは成人も同様で、発癌性物質が体内に吸収・蓄積されることによって肺癌、慢性気管支炎、肺気腫、心筋梗塞、胃潰瘍などを発症する可能性が高まる。この不本意な喫煙が原因で1年間に7000人近くが死亡するというショッキングなデータもある(厚生労働省研究班による推計、昨年9月発表)。

 こうなると喫煙行為が白眼視されて規制の枠が広まるのは当然の成り行きで、条例により各種施設での喫煙を禁止する地方自治体が増えてきた。さらには厚生労働省が職場における健康障害防止の観点から、事務所や工場内の全面禁煙や空間分煙(一定の要件を満たす場所でのみ喫煙を認める)を労働安全衛生法の改正をもって義務付ける方向にある。前記の受動喫煙を原因とする死亡者の半数以上が職場での被害としている以上、規制強化は止むを得ない施策といえようか。

 愛煙家の立場からすると、嗜好の場所と時間が狭められる一方でストレスが溜まりかねない状況ではあるだろうが、ところ構わずタバコをくゆらすことが人に危害を及ぼすのであれば致し方ない。自身にとっての健康云々は別の話として、ルールが強まるのであればそれに従い、しかるべきマナーが求められるのなら厳守に努めるべきだろう。その自戒が働かないと、喫煙者はますます身の置きどころがなくなる。

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平成23年2月1日第2131号 掲載

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