【道しるべ】制作余話 予想以上だったDVDの効能

2011.11.01 【ひのみやぐら】
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 秋季安全衛生大会のシーズンである。災防団体主催による全国大会から地域レベルでの開催まで規模に大小はあるが、職場で実績を挙げている取組みの発表に耳を傾けると、教えられることが多い。とりわけ活動当事者の報告には現場ならではの体験談などが織り交ぜられていて興味をそそる。

 一例として本誌では今号トピックス(14ページ)で全国建設業労働災害防止大会での「安全の見える化動画の開発と展開」(鹿島建設東京建築支店)を取り上げている。その、CG(コンピュータグラフィックス)によって被災状況をリアルに再現したDVDについては、記事で紹介しきれなかったところもあるので小欄をかりて補足したい。

 発案から動画作成までを手がけた安全環境部・八隅竹水部長、岡村圭裕次長がCG採用に託した効能は、「災害発生の状況やメカニズムが見るだけで容易に分かり、しかも被災の怖さを実感してもらえる」点にあったとか。それをより実写に近いものにするため「リアルな効果音を入れ」、「被災者の目線で災害を表現し」、「ナレーションとフリップも急所だけ語り示すようにして、そのほかのことは動画を見た本人に考えてもらうようにする」といった工夫がなされている。

 これは災害の大半が危険軽視、経験不足を要因としたヒューマンエラーであったため、事細かな説明や解説よりも“見て、聴いて、感じる”シンプルな方法を採った方が教育効果が大きいと判断してのことのようだ。

 実際に作業所で繰り返し放映してみると「墜落、落下、激突の画像がリアル過ぎて、目をそむけたり、気分が悪くなる作業員もいた」とかで、画面から伝わる恐怖感は予想以上だったらしい。

 こうした居ながらにしての“災害疑似体験”は、恐らく百の説法に勝って人の心に残るだろう。DVD制作者からも「“恐怖の演出”が安全意識を揺り動かしている」と聞いている。これからの安全教育では「体験・体感」がキーワードの1つになりそうだ。

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平成23年11月1日第2149号 掲載

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