【ひのみやぐら】仕組みとしてのOJTを

2020.12.10 【社説】
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 教育は大きくOJT(On-The-Job Training)とOFFJTに分けることができるだろう。時間を作って集合教育を行うOFFJTよりも、実際の業務で上司や先輩が教えるOJTのほうがキメ細かい指導となるだけに受ける側の影響や効果が大きい。

 教育体制が脆弱な中小企業では、むしろOJTこそ指導の中心であり、疎かにすると将来に向けた人材育成が破綻することになりかねない。OJTは教える側の負担も少ないわけではなく、ともすると「放置」という事態に陥りやすい。「誰かに任す」というだけではなく、会社としてどのような方針で行うのか、仕組みづくりが求められる。

 注意しなければならないのは、OJTは教える人のスキル次第で成否が決まってしまうことだ。とくに「仕事のできる人」は一見、何でも得意そうに見えるので気をつけたい。理解度、技術は人によって習得のスピードが違う。「仕事のできる人」は自身の成功体験が元になっており、他者にも自分と同じ速度で能力の習得を求めがちだ。自分が要請するペースで成長しないとイライラし、結果、相手に意図が伝わらず、教育効果が得られない。

 教える側に必要なのは、相手との信頼関係構築にほかならない。日常からコミュニケーションをとり、意思疎通を図る。そのうえで言い方も含めて、相手に合った指導をする。お手本となる行動も重要だ。仕事のできる姿を見せつけることで、自ら「あこがれの存在」になる。おのずと指導役の真似をするようになり、聞く耳を持つようになる。それには、指導者自身が自分を高める努力が必要になる。

 教育係には向き不向きがあり、適任者を当てるのがよいが、再任が続くと負担が大きいので不公平感が出てしまう。皆が教育を担当できるよう、教える側を育成する研修も実施したいところだ。

 今号、特集Ⅰでは橋爪建設が実施している未熟練者へのマンツーマン教育を紹介している。OJTを会社の教育制度として確立し、積極的にフォロー、バックアップ。未熟練者を教育することは指導員の成長機会につながっており、相乗効果でよい刺激が生まれている。

2020年12月15日第2368号 掲載

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