【主張】男性育休者の欠員対策を

2020.11.19 【社説】
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 男性の育児休業取得率が急上昇の兆しにある。厚生労働省は来年度、この機に乗じて育児介護休業法を改正し、さらに取得拡大を狙っている。対象期間や分割回数、要件・手続きの改善などを検討中である。今後、基幹的な業務を担当している男性に育休取得が広がる可能性が高まってきた。政府は、取得環境の改善とともに、中小企業に対する支援対策をより拡充する必要がある。

 男性の育休取得率は、平成23~28年度までほぼ2%台で低迷していたが、29年度に5.14%と急伸した後、30年度に6.16%、令和元年度には7.48%にまで拡大、取得率1割超えは時間の問題となっている。政府は、2年度に13%、そして7年度は30%に目標を据えている。とくに、配偶者の出産直後の男性の育休取得を強力に促進する枠組みを検討する模様だ。

 問題は、厳しい経済状況の中で人材難に見舞われている中小企業の存続である。中小企業では、人材難のゆえに育休の代替者がみつからない場合が多い。男性が基幹的な業務を担当していた場合、事業継続が困難となるケースが増加しかねない。男性の育休拡大は、少子化を抑制する一手として大切な視点であるが、中小企業の事業継続に支障が生じたり、生産性が低下してしまっては、社会全体としては意味を持たなくなる。

 企業側への支援としては現在、「子育てパパ支援助成金」がある。男性に、子の出生後8週間以内に開始する連続14日(中小企業は連続5日)以上の育休を取得させた場合、原則として中小企業へ57万円を支給するもの。育休期間中に対する労働者側への各種経済的支援と相まって、取得率拡大に貢献してきた。

 しかし、基幹的な業務を担当している男性が、長期間休業となれば、助成金の有無の問題ではなくなる。実際に職場の人手が不足していたり、自分にしかできない仕事を担当しているために、物理的に育休取得を阻まれている割合が多い。男性の育休取得を拡大していくのであれば、中小企業の事業継続の観点から有効な支援策を打ち出す必要があろう。

令和2年11月23日第3282号2面 掲載

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