【主張】役目果たした3年新卒に感謝を

2012.08.20 【社説】
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 厚生労働省は、今年10月から雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の支給内容を縮小していく方針を固めた。本紙7月23日付1面報道によると、平成20年秋のリーマン・ショック以降、中小企業向けに拡充した中小企業緊急雇用安定助成金を契機に利用者が急増、その後も段階的に支給条件・内容の緩和拡大を進めてきた結果、就業者人口の3分の1に達するまでになっている。

 21年度の実施計画事業場数は94万社、対象者数約2442万人、22年度は同じく約79万社、約1351万人、23年度は約59万社、1304万人と高止まりの状態にある。この間、ご多分に漏れず不正受給者が横行し、同省は3次にわたって、不正防止手段の強化を図ったものの、一般紙にまで「不正」が報道されるような人気だった。雇用情勢もやっと上向きになり、受給チェックが難しく、その額が膨大する一方では、縮小はやむを得まい。計画では、リーマン・ショック前の状況に落ち着くという。

 これにさきがけて、7月に3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金およびトライアル雇用奨励金が時限立法だったため、期限切れで役目を終えた。これには一抹の感慨を禁じ得ない。平成22年、就職浪人の加速度的な増加を懸念した日本学術会議の検討委員会は、雇用対策側の国、地方自治体そして求人側の企業に向けて「卒業後3年の未就職者」を新卒者と同様に扱うよう提言を行った。厚生労働省はこれを受けて同年9月に採用拡大奨励金および3年以内既卒者トライアル雇用奨励金を創設、適用開始の9月24日から翌年1月9日までの実質3カ月間で、前者が458人、後者には5442人の若者がトライアル雇用にチャレンジした結果、合計5900人が社会に歩を進めた。

 これには、新卒未就職者の積残しを増大させるだけ、と提言に噛みついた小欄も兜を脱いだ経緯があった。いつまでも「卒業後3年間を新卒者扱い」するわけにはいかず、時限立法はやむを得ないが、カンフル注射として立派にその役目を果たした制度に改めて敬意を表したい。

平成24年8月20日第2885号2面 掲載

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