【主張】再就労に冷水浴びせるな

2020.08.27 【社説】
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 厚生労働省の集計結果によると、新型コロナウイルス感染症による解雇等見込み者が8月7日現在で4万4000人を超えた。全体としての雇用情勢は、政府による大規模財政出動により何とか一定水準を維持しているが、感染症への対応がこのまま長引けば、持ちこたえられなくなるのは明らかである。今後は、新型コロナの特性を前提とした経済活動の活性化に大きく舵を切るべきである。

 新型コロナの特性は、この数カ月間でほぼ判明したといっていい。PCR検査の実施数増加に伴って、エラーを含めた陽性者が拡大しているが、累計陽性者のうち4万人近くが50歳代以下で占められている。無症状、軽症が多く、重症者は200人超に抑えられている。重症者用確保病床数は、8月12日時点で2800床もある。

 死亡者は、累計1000人を超えたものの、6月下旬以降は緩やかな増加に転換した。40歳代以下の死亡率はほぼゼロに近く、50歳代でも0.6%に過ぎない。

 陽性者が拡大している点については、国内で一定程度蔓延状態にあることを意味しているが、軽症程度であれば、いつものカゼと同視できる。感染者は、新型コロナとは気付かずに、2週間ほどで治癒し、消滅していくケースもあろう。この過程が長期間続けば、次第に感染は鎮静化していく。PCR検査による陽性者累計数を毎日大げさに報道するのは、国民の恐怖心を煽るだけだ。

 一方で、経済活動はこれ以上ストップさせることはできない。雇用調整助成金の特例適用などで、解雇を免れた休業者が数百万人に上っている。多くがカゼと同視できる危険性の少ない感染症の拡大防止のために、再び緊急事態宣言、大きな自粛要請などとなったら、雇用情勢悪化は今のペースでは済まない。

 加藤勝信厚生労働大臣によると、6月時点で前月の休業者の約45%が休業継続しているものの、約47%が従業者となり、完全失業となった者は約2%に留まったという。これからは、就労への復帰に冷水を浴びせる新型コロナ対応は到底認められない。

令和2年8月31日第3270号2面 掲載

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