【主張】“有意義”だった通常国会

2020.06.18 【社説】
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 令和2年の通常国会が幕を閉じた。新型コロナウイルス感染症への対応と検察庁法改正案の議論が主役だったが、その裏で複数の労働関係法改正案と年金制度強化法案が無事成立したことを評価したい。労働・年金問題で一歩も二歩も前進することできた。

 重要だったのは、高年齢者雇用安定法の改正である。65~70歳の高年齢者就業確保措置(業務委託、社会貢献活動を含む)の導入を企業に努力義務化したもので、高齢期の就業拡大に貢献するものといえる。年金強化法では、現在60~70歳となっている年金の受給開始時期の選択肢を、最長75歳まで引き上げることができた。超高齢社会では個人の事情に合わせ、就業と年金支給のフレキシブル化を拡大していくことがカギとなる。

 副業・兼業への対応も進んだ。複数就業者の労災保険給付について、複数の就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定を可能としたほか、勤務日数が少ない者でも雇用保険を給付できるよう被保険者期間の算定に当たり、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定した。拡大する副業・兼業のセーフティーネット強化が一段と進んだことになる。

 労働基準法改正は労使双方の妥協の産物だった。不払い賃金などの請求権の消滅時効を、改正民法と同様に5年に延長したものの、経過措置により当分の間3年とした。賃金台帳などの記録保存義務期間も同様な扱いである。

 国会審議は、新型コロナウイルス対策と検察庁法改正案に染まっていた。相変わらず「疑惑」追及に終始していたマスコミ報道の姿勢に大きな問題がある。

 しかし、水面下では、厚生労働省管轄の重要法案多数が予定通り成立し、社会・経済にとって大きなプラスとなった点を強調したい。与野党対立法案と位置付けられなかったことが、スムーズな審議につながっている。

 政権運営は、新型コロナウイルスへの対処で忙殺されていたが、労働・年金問題の前進と想定を上回る大規模な景気浮揚策を打ち出すことができ、有意義な危機対応国会であった。

令和2年6月22日第3262号2面 掲載

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