【主張】求人と初任給水準維持へ

2020.06.25 【社説】
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 本紙調査(6月8日号1面)によると、来春大卒者の求人初任給が、全体として今年の水準を上回る見通しである。新型コロナウイルスによる未曽有の景気後退にもかかわらず、企業の賢明な判断を強く支持したい。日本の少子化の進行と人口減少は深刻さを増しており、まさに国難とも呼ぶべき状況にある。一時的な景気後退で、人材獲得の手を緩めることがあってはならない。第2のロスジェネを作らないためにも、企業はできる限り求人拡大と給与水準の維持に努めて欲しい。

 新型コロナによる経済へのダメージは計り知れないものとなったが、現在のところ来春大卒の求人初任給への影響は少ないものと考えられる。新型コロナの影響は一時的なもので、経済活動再開とともに急回復するとみられているのではないか。半年程度の先読みで変動する日米双方の株価水準がともに堅調に推移している点もうなずける。

 企業は、ここで人材獲得の手を緩めたら再び世代間不均衡に悩まされることになる。企業、業種によっては、苦しい資金繰りに見舞われているだろうが、若く優秀な人材獲得に向け、最大限の努力を怠らないで欲しい。数年にわたって上昇してきた初任給水準も、このまま維持する必要がある。

 政府の第4次少子化対策大綱は次のように指摘した。日本の少子化の進行、人口減少は深刻さを増し、「まさに国難とも呼ぶべき状況」にある。一旦は1.45まで回復した合計特殊出生率もここ数年微減傾向に転換した。労働供給の減少、市場規模の縮小、経済成長率の低下、現役世代の負担増などが近い将来の社会経済に多大な影響を及ぼす。そして、「時間的な猶予はない」と懸念を強めた。

 新型コロナによる一時的後退の影響を長引かせてはならないことは明らかである。貴重となりつつある若年人材の継続的獲得に全力を挙げて取り組むべきである。本紙調査結果を参考に、来春大卒、さらには高卒を含めた初任給水準の維持向上を図ってもらいたい。企業の巨額内部留保が社会的に批判されたが、今こそ有効活用すべきである。

令和2年7月6日第3263号2面 掲載

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