【主張】新規雇用に大型助成金を

2020.06.11 【社説】
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 政府は、コロナショックからの回復を見据えた新たな雇用対策を早急に検討すべきである。「緊急事態宣言」による企業活動自粛と長期化が予想される感染抑制対策の影響で、今後100万人以上規模の雇用が喪失するとみられている。第2の「就職氷河期世代」を作らないために、企業に対する雇用維持・拡大へ向けた助成強化と労働者の再教育訓練に有効な支援策を求めたい。

 わが国の完全失業率は、バブル経済崩壊後とリーマン・ショック後の5.5%が最悪であった。リーマン・ショック後の完全失業者数は、現在の176万人の2倍強である364万人に達していた。コロナショックによる経済的ダメージが、リーマン・ショックを超えているとすれば、これまで以上に強力な企業・雇用支援が不可欠である。対策が遅れるほど、キズは大きくなる。

 まず使用者に解雇・雇止めを思い留まってもらうための十分な資金援助が不可欠である。雇用調整助成金は、段階的に要件緩和や手続きの簡素化を実施してきたが、中小・零細企業に届きにくいのが実情である。

 飲食店、スポーツジム、観光・宿泊、交通など、ダメージが大きい業種に対しては、賃金の支払いなどを条件としたごく簡易で、金額的にも十分な支援金を一定期間支払う仕組みを確立すべきだ。併せて、業種を問わず新たに雇用を増加させた企業に対する現金給付を行って欲しい。

 解雇・雇止めへの対処策として、複数の業種を跨いだ求人・求職マッチングシステムを整備すべきである。コロナショックによる失業者を、看護・介護、IT関連、通販、物流、農業など人手不足分野に素早く移動させる仕組みである。マッチングと助成金支給を組み合わせれば、大きな効果が期待できる。再教育訓練の強化も重要といえよう。

 前提となるのは、政府による資金的裏付けである。十分な金額を支払うためにも、第3次補正によるさらなる財政出動を躊躇すべきではない。今日に至ってプライマリーバランスに拘泥すると、人命を含む経済的損失が長期間にわたって後を引くことになる。

令和2年6月15日第3261号2面 掲載

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