【ひのみやぐら】課題見えたストレスチェック

2016.11.25 【社説】
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 スタートまでいきさつのあったストレスチェックも、始まってしまえばもう1年。月日が経つのは本当に早いものだ。今号「産業カウンセリングの現場から」ではEAPを提供するピースマインド・イープ㈱の宮中大介さんに執筆いただいているが、ストレスチェック開始1年の所感が綴られており非常に興味深い。

 まず、ストレスチェックの義務化により、制度自体が複雑になり、企業の担当者は実施のための準備事項が大幅に増加し、大きな負担になっていることを挙げた。現在、厚生労働省では産業医改革が進められているが、職場巡視が現行月1回以上から2月以内に1回以上と緩和の方向で検討されている。その背景には、ストレスチェックや面接指導などの負担増で、産業保健の現場は余裕がない状況があるようだ。

 また、同社の調査によると約6割の団体で受検率が90%となった一方、40~50%と低調となった団体も1割以上存在し、業種間で差が見られたという。従業員に「受検の義務がない」ことを「受検しなくてもよい」ととられてしまったり、周知が足りなかったなどの理由を挙げている。初年度ということもあり、大目に見なければならない面もあろうが、来年度に向けての課題となった。

 ストレスチェックでは、小集団ごとに分析して職場改善に生かすことを努力義務としている。こうした取組みに力を入れている先進企業も見られ、特集Ⅰで紹介する三井化学もそのひとつ。同社では、職場改善を上手に進めるツールとして「ストレス低減計画シート」を作成し、コミュニケーション向上のための好事例を抽出し、社内に水平展開している。「未完成でも早めの報告を促してフォローする」「部下が相談しやすいよう質問タイムを設ける」など事例を生かし、働きやすい職場を目指す。

 宮中さんは、職場環境改善を支援する際「万能薬」や「特効薬」を求められるというが、社風やストレス傾向などの個別事情を踏まえて継続的に取り組むとしている。やはり、地道な取組みが一番の近道だろう。

 問題もあったが、課題も見えた1年だった。

平成28年12月1日第2271号 掲載

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