変化受け止め課題に対応/レグルス社会保険労務士 社会福祉士事務所 代表 小林 壮仁

2019.08.25 【社労士プラザ】
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レグルス社会保険労務士
社会福祉士事務所
代表 小林 壮仁 氏

 「滄桑之変」(そうそうのへん)という言葉がある。世の中の移り変わりの激しさを例えた四文字熟語であるが、とくに今年は平成から令和へと変わり、「働き方改革」関連の新たな制度の施行も始まり、様ざまな企業でその対応に追われている年ではないだろうか。

 最近ではAI技術が向上し、各種届出業務のAI化といったニュースも巷をめぐり、今後はより3号業務に傾いた業務展開が必要となっていくことであろう。我われ社会保険労務士にとっても大きな転換期なのかもしれない。

 私も、社会保険労務士事務所を開業して早4年が過ぎた。事務所の開業前は社会福祉士として、とある市の地域包括支援センターの相談員として長く従事し、多くの高齢者の介護相談や生活支援・相談など、様ざまな問題と向き合ってきた。その影響もあるのか、現在では主に福祉・医療関係の事業所からの相談が多い。

 以前、とある障害者のグループホームを運営している法人の理事長から、「何度も求人を出しても、なかなか応募がない」といった相談を受けた。

 グループホームという施設の性質上、利用者は日中に他の授産施設などの活動に出掛け夜に当該施設へ帰ってくるといった生活サイクルを巡るので、職員の業務はどうしても夜勤がメインとなってしまうことになる。月に多くの回数の夜勤をこなさなければならず、求人に対しても、どうしても「避けられて」しまう傾向がみられる。その法人では人員不足のため一人ひとりの職員に掛かる業務負担が大きくなってしまい、定着もままならなく離職に至ってしまい、その分また他の職員へ負担となるという負のスパイラルに陥ってしまっていた。業務の特殊性が強く、仮眠時間の確保や勤務時間の短縮など、勤務体制を整えることに大変苦慮したという記憶がある。

 かつては3Kという言葉があった。「危険、きつい、汚い」と避けられる職場の代名詞として使われてきた言葉であったが、労働に関する価値観も変化しており、最近では新3K「厳しい、給料が安い、帰れない」といった新たな言葉も使われるようになり、かつての3Kの意味合いも変わってきている。

 福祉業界だけに限ったことではないが、新3Kのような典型的なイメージが広く浸透しているのも大きな弊害となり慢性的な人不足にもつながっている。そしてそれに見合う様ざまな環境がまだ十分に整っていない。「滄桑之変」の中で課題と向き合い、人材確保や職場環境の改善など、社会保険労務士も大きな役割を担っているのだ。

レグルス社会保険労務士 社会福祉士事務所 代表 小林 壮仁【東京】

【公式webサイトはこちら】
https://www.regulus-sr-sw.biz/

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令和元年8月26日第3222号10面 掲載

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