解体現場で頭に飛来物が直撃し死亡 建設会社を送検 立入禁止措置講じず 船橋労基署

2019.08.21 【送検記事】
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 千葉・船橋労働基準監督署は、解体工事中に飛来物が派遣労働者に当たり死亡した労働災害で、建設業者と、現場責任者である同社の会社員を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。

 同社は建設業全般を営んでいる。労働災害は平成30年7月10日に、同社が1次下請として入場する、千葉県船橋市内の3階建ての遊技場の解体現場で起きた。同社はいわゆる「人夫出し」で2人の労働者を受け入れていた。そのうちの1人である、51歳の男性労働者が地上でほこりの舞い上がりを防ぐための散水作業をしていたところ、建物の解体カ所から飛来した物体が頭部に直撃した。労働者は救急搬送されたが同日死亡が確認された。死因は脳挫傷だった。

 労災発生時には建物の2~3階部分の梁を解体していた。解体で出たガラか鉄筋が落下してきたか、重機が弾き飛ばしたガラに当たったとみられる。被災労働者はヘルメットを着用していたが、事故後は陥没した状態になっていた。同労基署が捜査の過程で、重さ約5キロの石を2メートルの高さからヘルメットに落とす実証実験をしたところ、ヘルメットが凹むことはなかったという。相当な衝撃だったとみられる。

 労働安全衛生法は解体用機械を使い作業を行うとき、物の飛来の危険がある場所に運転者以外を立ち入らせてはならないと定めている。同労基署は「立入禁止にするか、重機を止めてから散水作業を行う必要があった」と話している。

 人夫出しで受け入れた2人の労働者の指揮命令は同社が行っており、実態は労働者派遣だった。同労基署は同社を派遣先とみなして送検した。なお、建設業務への労働者派遣は労働者派遣法で禁止されている。

【令和元年7月18日送検】

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