良い求人票に良い人材/加藤社会保険労務士事務所 加藤 正人

2019.06.09 【社労士プラザ】
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加藤社会保険労務士事務所 加藤 正人 氏

 新しい時代に突入し、これからの社労士はますますコンサルティング力が求められるといわれている。

 AI(人工知能)などによって1・2号業務の自動化も進めば、このような変化は至極当然のことと思える。顧問となると、時として人材採用実務について相談されることがある。求人票の作成・提出代行や適性診断の導入、その他様ざまな業務の展開があり得るが、こうした支援業務は顧問先との関係を確実に深めることになるので、積極的にかかわりたいと考えている。

 たとえば求人票の作成。仕事内容や特記事項、備考欄などのフリースペースでどう訴えるかによって集まる人材の質も変わってくる。その実、「しっかり書かれた求人票をみて信頼できる会社だと感じた」などといった、応募者からの共感の声を幾度となく耳にした。

 かつて私は求人情報誌の制作で企業を取材し、近年は人材サービス事業の運営で求職者と向き合ってきた。経営者や採用責任者は、人材への思いなどを尋ねるとそれはもう多くのことを語ってくれるが、経営者自身が求人票を書くとなるとその思いはほとんど謳われていない。

 求職者はといえば就職活動への事情は様ざまであるが、得てして居心地の良い職場、自分を活かしてくれる職場を求めていることが多い。いわば新天地に依存しているのである。企業はこの依存心を最も嫌う。つまり組織にぶら下がろうとする姿勢であるが、求職者自身は気付いていない。だからこそ求人票では仕事内容を伝えつつ、その難しさや必要な努力、求められる資質などを訴える。

 求人企業からの問いかけに、求職者は自身の経験や培った能力を振り返り、改めて自己効力感とモチベーションを持って挑んでくれる。

 概して、いい加減な求人票にはいい加減な応募者が集まり、良い求人票には良い人材が集まるといえる。企業はその中から最も組織を活性化し、事業を率先する人材を選出する。経営者が求める「起業家精神のある人」とか「いわれなくても動ける人」とはそうした人材ではないか。

 採用活動の支援業務はまた、その後の人材育成や評価業務にもつながっていくものであり、重要視して間違いはないのではないかと思う。

 とはいえ顧問先従業員の日々の取組みまで把握することは難しいのだが、ポイントは相手を知ろうと寄り添うことだと考えている。経営者にも従業員に接する場合であっても、常に問いかけ教えていただきながら、結果として気付きをもたらすような貢献ができることを日々心掛けている。

加藤社会保険労務士事務所 加藤 正人【愛知】

【連絡先はこちら】
〒464-0067
名古屋市千種区池下1-1-7-403

令和元年6月10日第3212号10面 掲載

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