見過ごせない改正派遣法/社会保険労務士白井事務所 代表 白井 修平

2012.11.05 【社労士プラザ】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 平成24年10月1日に「派遣労働者の保護および雇用の安定」を目的とした改正派遣法が施行された。

 労働者派遣法制定から20年以上が経過したが、この間、労働者派遣制度は、経済・産業構造の変化に対応した多様な就業形態を求める企業側のニーズや労働者の就業意識の多様化などを背景として、対象業務の拡大や派遣期間の拡大等の規制緩和が行われてきた。

 そして、これに比例するように派遣元の事業所数、派遣先の事業所数、そして派遣労働者数は増加を続け、派遣労働は労働市場における需給調整機能として普及してきたが、一方で偽装請負や二重派遣等の企業のコンプライアンス違反などの問題が注目されている。

 また、このような違法な労働者派遣に加え、派遣会社による給与の不当天引きや、派遣労働者の不透明な待遇、雇用契約の中途解除である「派遣切り」など派遣労働者の雇用の不安定化が社会問題として内在している。

 こうした状況を背景として、労働者派遣制度の見直しが求められ、厚生労働省は、日雇派遣を原則禁止するなど一定の派遣労働者の雇用の安定のための措置を内容とする「労働者派遣法等の一部を改正する法律案」を平成20年11月4日に国会へ提出し、平成24年3月28日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、改正派遣法)が成立した。これまでの「派遣労働者の就業条件の整備」という表現に代えて、法律の名称に「派遣労働者の保護」を明記することにより、派遣労働者保護のための法律であることが明確になったこともポイントだろう。

 改正派遣法の概要をみると、日雇派遣原則禁止などの「事業規制の強化」、マージン率等の情報公開義務化などの「派遣労働者の待遇の改善」、労働契約申込みみなし制度創設(平成27年10月1日施行)などの「違法派遣に対する迅速的確な対処」の3本柱となっている。

 当事務所では、法整備のみならず、派遣先で派遣労働者を雇用した場合に支給される「派遣労働者雇用安定化特別奨励金(平成28年3月31日まで)」支援にも力を入れており、多角的なサポートを日々心がけている。

社会保険労務士白井事務所 代表 白井 修平【東京】

関連キーワード:
平成24年11月5日第2895号10面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。