経営者の求める情報を提供/川村啓之社会保険労務士事務所 川村 啓之

2013.06.17 【社労士プラザ】

川村啓之社会保険労務士事務所
川村 啓之 氏

 脱サラ後、ゼロから独立開業して、早いもので8年が経とうとしている。苦しい時期もあったが数多くの方々にご支援を賜り、ようやく事務所として体裁が整いつつあるように感じている。現在は、事情の異なる個々の関与先の労務管理能力の向上のためにどのようなアプローチがベターなのか、自問する毎日である。

 最近、社労士の企業への関与率について興味深い資料を目にした。ある調査によれば、社労士と顧問契約を結んでいる企業の割合は31.5%、顧問契約を結んでいないが付合いはあると答えた企業は、15.3%だそうである。これに対し、税理士との顧問契約は88.8%の企業が結び、付合いがある企業は7.5%となっている。社会的な認知度が向上してきたとはいえ、まだまだ社労士の必要性を感じていない経営者も多いのが実情とみるべきだろう。

 単純に考えれば、関与率の低さを開拓余地の大きさと捉え、このことをもって業界の未来を楽観視する向きもある。確かに手つかずの市場が存在することは事実であり、この領域の企業に対して、需要の掘起こしを行うのは無意味なことではない。しかし、経営環境が一段と厳しさを増す中で、長らく予算に盛り込んでいなかった費用を新たに支出することを決心させるには、余程のメリットを感じさせる何かが必要である。そして、契約後は実際に企業の経営に貢献することが重要である。

 経営者と話してみると、経営の改善についての意見が多く、有益な情報に対して貪欲な姿勢である人が思いのほか多いことに驚いている。

 これは社労士に限ったことではないと思うが、経営者の知りたいことについて重要な示唆を提示できれば、そのことが大きな付加価値になる。有望な企業は、労働者以外にも常に付加価値の高い有能な人材を求めているのである。

 社労士の一般的な顧問契約の内容は、事務処理代行業の要素が強い。これはこれで事務所の経営基盤を支える重要な業務なので、拡大していきたい。一方で、より良い労務管理の手法、地域産業の動向、同業他社の取組み、助成金情報、行政の活動状況等の情報提供と提案活動にこそ本当の需要があると信じて研鑽を続けたいと思っている。

川村啓之社会保険労務士事務所 川村 啓之【青森】

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掲載 : 労働新聞 平成25年6月17日第2925号10面

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