社長の思いを企業理念に/フレンズコンサルティング社会保険労務士法人 代表 山田 順一朗

2012.06.25 【社労士プラザ】
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 社会保険労務士の世界に足を踏み込んで20年近くになる。この間一貫して労務管理の基盤である就業規則の整備業務に力を注ぎ、これにより労務トラブルの予防、モチベーションの向上、そして最終的に「きちんと回る職場」づくりをめざしてきた。こうした中、従業員の権利意識の高まりとともに度を超えて権利を振り回す「問題社員」に対抗できる就業規則整備、体制づくりが企業からの主な要請となってきた時期があった。これらの要請にも応える規則文言を書き綴るのに知恵を絞り職人のように対応してきたが、昨今はだいぶ様子が変わってきたように思う。

 妊産婦や子育て社員への配慮や精神疾患を抱える者への対応、ローパフォーマーへの対処と従業員教育の現状など、労務管理の多様な論点について検証していくにつけ、会社の基本的スタンスを固めなければ一貫性のある対応ができないことに思いを至らせる中小企業経営者が増え、その結果として企業理念の整備にまで話が及ぶケースが徐々に多くなってきたのだ。

 元々私は比較的多くの時間を取って丹念に規定を作り込むスタンスを取ってきたが、企業理念にまで立ち返る手間をかけることで先々代社長の時代からホコリをかぶっていた企業理念に光が当たり、先輩経営者の知恵と努力に敬意を払う機会となる。その上で現社長の思いを形にした新理念の構築により、背中に会社の歴史を感じながら新たな気持ちで事業に邁進し、労務管理の重要性を深く認識する素地が社内に醸成されるように思うのだ。

 ここまで来るとその後の就業規則づくりは至極スムーズなものとなる。当初、打合わせへの参加を渋っていた経営陣も細かな規定の意味合いの確認に積極的に取り組むようになり、現場の従業員への配慮がにじむバランスの取れたコメントも出るようになる。

 修行期の私は、就業規則づくりを「実直な職人の仕事」と思っていた。しかし最近は「メンター(助言者・支援者)」のような仕事と捉えている。社会保険労務士による大枠の取組みによって経営陣に自分で気付かせ、支え続けることで自社の将来を真に想像させ、自ら取り組む成長の土壌を作るのだ。「社会保険労務士」、なんと幸せな仕事であることか。

フレンズコンサルティング社会保険労務士法人 代表 山田 順一朗【東京】

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平成24年6月25日第2878号10面 掲載

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