大企業のマネはやめよう/中川式賃金研究所 中川 清徳

2012.06.18 【社労士プラザ】
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 上場企業で20年、30人規模の中小企業で13年、人事労務畑一筋に歩んできた。

 中小企業に出向したとき、大企業の人事・賃金制度をそのまま導入したが、複雑で、運用している私自身が振り回された。中小企業は大企業のマネをしてはいけないことを身をもって経験したのである。

 大企業と中小企業で決定的に違うことが2つある。

 1つは、採用方法。大企業は定期採用が中心で、定年まで在籍するのが前提。しかし、中小企業は大企業のような余裕がないため、事業拡大による増員や、退職者の補充のために中途採用をしている。採用しても一人前になったら退職され、欠員補充で中途採用を繰り返すことが常態となっているのが中小企業で、定着率が低いのも特徴だ。

 もう1つは、従業員数である。従業員数の違いが人事制度、賃金制度、賞与制度、退職金制度などの設計に大きな違いを生む。

 大企業は人数が多く、定年退職を前提とした統一的、画一的な人事・賃金制度にせざるを得ない。しかし、中小企業の場合、経営者は全員の顔と名前が一致し、仕事ぶりもみえているので、経営者の裁量で人事、賃金を決定するのが現実的である。

 ランチェスター法則(弱者が強者に勝つ法則)によると、経営の要因は「地域・ルート・客層・営業」が53%、「商品・有料サービス」が27%、「組織・仕組み・教育・訓練」が13%、「資金の調達・経理」が7%である。

 経営者が重点的に取り組むべきは上位を占める「地域・ルート・客層・営業」と「商品・有料サービス」である。人事制度・賃金制度は「仕組み」の一部なので経営の要因としては13%の部類に入るにすぎない。

 定着率が低く、顔がみえる中小企業の人事・賃金制度は、簡単で良いのだ。人事・賃金制度の完成度を高めるより、重要な経営要因を研究するほうが会社のためになる。

 人事・賃金制度は経営者があまりエネルギーを使わないでも運用できる、エコの制度が良い。そのような制度を経営者のために提案して、少しでも経営者の肩の荷を軽くしたいとの思いから、300人以下企業を対象とした賃金制度のセミナー開催、顧問契約による相談、賃金制度構築のコンサルティングをしている。

中川式賃金研究所 中川 清徳【茨城】

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平成24年6月18日第2877号10面 掲載

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