【主張】軸足確かかみなし雇用制の行方

2012.04.09 【社説】
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 今通常国会に2年近く塩漬け状態に置かれていた改正労働者派遣法が上程され、ようやく成立の運びとなった。2年前の民主・国民新党・社民の与党3党案が、自民・公明との協力に変わったため、法案は当然、修正されている。主な修正事項としては、①製造業務派遣の原則禁止②登録型派遣の原則禁止を共に削除し、③日雇派遣の定義の変更④違法派遣の場合の「労働契約申込みみなし制の施行時期」を3年後に変更したことが挙げられよう。

 製造業務派遣および登録型派遣の原則禁止は、施行後あり方について「速やかに検討」するという附則が付いているが、まず早急の課題とはいえまい。3年後に延期されたものの、労働契約申込みみなし制が残ったのは、意外とするムキが多い。これは①無許可・無届業者や②許可基準を満たしていない事業者からの派遣労働者の受入れ、および③偽装請負④禁止業務への派遣が判明した場合、放置していた派遣先での直接雇用とみなす、という責任を問うもの。

 労働者派遣事業は、多様な就労形態を求める使用者側の強い要請でスタートしたにもかかわらず、懸念されていた違法状態が定着するような事態となった場合は、当然受けるべきペナルティーだ。現行の直接雇用の申込み義務と大差ないため、使用者側も納得尽くで残ったということか。

 みなし雇用といえば、労働契約法の一部を改正する法案にも登場している。同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約期間を通算した期間が「5年」を超えた翌日の時点で、労働者が「期間の定めのない労働契約の申込みをしたときは使用者は当該申込み(労働条件は有期と同じ)を承諾したものとみなす」というもの。ただし、2以上の有期契約の間に6カ月以上の空白期間があると、通算期間に算入しない。この結果、労使馴れ合いで有期契約と雇用保険受給を繰り返せば期間の定めのない契約にたどり着くことはない、という見方もある。現行派遣法は、直接雇用申込み期間の3年寸前で契約解除するグレーなやり方が多発し問題化した。同じ危険性がないとはいえない。

平成24年4月9日第2868号2面 掲載

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