【主張】復興策に欠かせない費用対効果

2012.01.16 【社説】
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 「膨大な国家財政の赤字、急激な円高とものづくり産業の競争力低下、生産拠点の海外移転、急速に進行する超高齢化と少子化、そして生産人口の減少、社会保障の持続可能性危機、格差・貧困の拡大とセーフティーネットの脆弱さ、毎年3万人を超える自殺者等々、戦後六十余年にわたって構築されてきた日本の社会・経済システムが綻び始めてきている」――古賀信明・連合会長のご指摘(本紙平成23年12月19日「ぶれい考」)は、そのとおり国民の心を痛めている。

 肝心要の東日本大震災の復興計画は、未だ端緒についたともいえない状況で、被災者に圧し掛かったままだ。宮城県内に設置された仮設住宅に立ち入ったテレビジョンクルーに対し、被災者は「忘れられ、風化するのが一番怖い」と訴えているが、死者・行方不明者2万人のうち、3500人弱の方々は未だその行方が分からない。復興・復旧計画を急ピッチで進めるとともに、被災1周年までには懇ろに弔うことができるよう切に希望する次第である。

 厚生労働省には、「平成23年度第3次補正予算」として総額6534億円が計上され、大震災に係る復興支援2599億円のほか、「復興・円高対応のための雇用対策」に3925億円が投じられることになった。うち「震災および円高の影響による失業者の雇用機会創出への支援」に対し、2000億円を。「被災地の本格的な雇用復興のための産業政策と一体となった雇用機会創出への支援」にも1510億円が投じられる。

 後者では将来的に被災地の雇用創出の中核と期待される事業に支援を行う「事業復興型雇用創出事業」と全員参加・世代継承型の「生涯現役・全員参加・世代継承型創出事業」の創設に投資される。

 予算要求書の文言をみると一抹の不安をおぼえるのは、小欄だけではなかろう。すでにモデルが存在し、それを目標に復興を図るというわけではなく、文字どおり「創設」だから、一からの出発である。耳に心地よく響く言葉ではないく、費用対効果が具体的に説明できる対応を行い、1日でも早く機能することを願う。

平成24年1月16日第2856号2面 掲載

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