【主張】限界点みえてきた失業率

2018.03.29 【社説】
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 2018年労使交渉では、これまでのところ賃上げ率2%台半ばとなり、安倍首相が要請した3%には届きそうにない。しかし、各種雇用統計をみると、明るい兆しも出始めている。雇用情勢改善が予想される限界点まで到達しつつあり、18年中の推移によっては、デフレ脱却もそう遠くないと思われる。雇用情勢改善の流れをこのまま持続するための経済対策を望みたい。

 最も注目されるのは、総務省の労働力調査である。18年1月の完全失業者数が92カ月連続減少の159万人となり、完全失業率が2.4%まで下落した。それ以前の数カ月間は2.7%程度で推移していたもので、一気に0.3%の減少である。

 2.4%という数値は、完全失業率の最低水準との見方があり、いよいよ雇用情勢改善の限界点がみえてきた。この水準がスポット的ではなく半年程度続けば賃金の上昇に弾みが付くかもしれない。

 厚生労働省の職業紹介統計をみると、雇用情勢が着実に改善したために、新規求職の減少と新規求人の増加が同時並行的に進行している。17年4~12月の集計結果によると、常用雇用の新規求職申込件数は365万件で前年同期比約4%減少したのに対し、新規求人数は754万件と約6%増加した。結果として、この期間の職業紹介件数は489万件で約10%減少、最終的に就職につながったのは117万件で、これも約3%減少している。厚労省では、とくに職業紹介件数の落ち込みが著しいとみて、すでに全国の公共職業安定所に注意喚起している。

 15~64歳の就業率も大幅に高まっている。いわゆる働き盛り年代層の18年1月における就業率は約76%で、昭和43年の集計開始以来、過去最高となった。雇用情勢改善によって高齢層や女性を中心とした労働力化が進展していると観測できる。就業率上昇も追い付かないほど雇用情勢が改善していることになろう。

 労使交渉による賃上げは企業側に主導権があり、思うような結果は期待できない。しかし、雇用環境によっては大幅賃上げをせざるを得ない状況を作ることができる。

平成30年4月2日第3155号2面 掲載

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