【主張】またデータミスばかり……

2018.03.05 【社説】
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 安倍首相は、国会の予算委員会で、裁量労働制のデータに関する答弁の撤回と謝罪を行った。データの不備自体は決してあってはならないことで、働き方改革関連法案全体の信頼性が疑われかねない重大問題である。同法案提出に多くの国民の理解が得られるか、不透明となってきたのは否定できない。

 しかし、わが国において研究、企画立案、分析業務全般の一層のレベルアップが急務となっている現状から考えると、裁量労働制などの対象業務拡大は避けて通れない道である。労働基準監督のさらなる監視強化、取締強化を進めて本来の趣旨に則った的確な適用を図ることから再スタートすべきである。

 裁量労働制とは、近年における技術革新やサービス経済化、情報化の急速な進展に対応して、労働者の自由度を高めより創造的な働き方の実現をめざした労働時間制度と捉えることができる。労働時間規制を一般労働者と同じように厳格に適用するのが不適切な専門的労働者を対象とするのが本来の姿である。

 企画業務型裁量労働制の適用対象をみると、経営企画担当部署において経営状態などについて調査・分析する業務や生産効率・市場の動向などについて調査・分析する業務などが挙がっている。

 今回の改正で、法人顧客の事業運営に関する企画立案調査分析と一体的に行う商品やサービス内容にかかわる課題解決型提案営業の業務を加えるとしている。たとえば、取引先企業のニーズを聴取し、社内で新商品開発の企画立案を行い、ニーズに応じた課題解決型商品を開発のうえ、販売する業務とした。

 いずれにしても、対象になるのは、労働者の裁量に委ねる必要があり、業務遂行の手段や時間配分の決定において具体的な指示をすることが困難な業務だ。こうした業務を遂行する労働者は、事実上、労働時間と私的時間の境界が明確でないのが実態で、そもそも労働時間の長さを尋ねてもあまり意味はない。

 データミスばかりあげつらうのではなく、わが国経済・社会の将来的発展を見据えた議論をしてほしい。

平成30年3月5日第3151号2面 掲載

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