【ひのみやぐら】安全衛生の新段階の年に

2018.01.08 【社説】

 厚生労働省安全衛生部から年頭のメッセージをいただいた。そこから、平成30年の安全衛生行政施策の大綱が見て取れる。今年は、どんな施策が優先的に行われるのか、紐解いてみたい。

 まず、安全衛生部長が一番先に触れているのが「働き方改革」である。長時間労働の是正、メンタルヘルス対策の構築などの重要な柱とともに、動きが活発になると考えられるのが「治療と仕事の両立支援」だ。わが国は人口の高齢化が止まらない。年齢を重ねれば何かと体の不調を訴えることが多くなり、心身機能低下による労働災害発生率も高くなると思われる。「今、自分は健康だから」といっても、いつ病気などにり患するかは分からず、決して他人事ではないだろう。

 最近は日本対がん協会による「ながらワーカー」というキャッチフレーズのテレビCMも行われているところだが、社会の意識はまだまだ高いとはいえない。厚労省では、主治医、会社・産業医、両立支援コーディネーターによる「トライアングル型支援」など具体的な取組みを推進していくとしている。「治療と仕事の両立支援」は新年度から始まる第13次労働災害防止計画でも重要な施策との位置づけにある。

 よりよい社会の構築のための施策を進める一方で、死亡災害が急増している状況がある。13次防では、2017年と比較して2022年までに死亡災害を15%以上減少させることを目標とした。製造業では、経済産業省、中災防と連携した「製造業安全対策官民会議」を設立し、業種の垣根を超えた取組みを行っているところだが、今後も対策の検討が続く。同協議会の動きに目が離せない状況だ。

 建設業では、まだまだ東日本大震災の復旧復興工事や五輪施設関連工事で建設需要が続き、人手不足や人材不足が原因の労働災害が懸念される。死亡災害の4割を占める墜落・転落災害防止を最重点に掲げており、ハーネス型安全帯の使用など充実強化を図るとしている。

 働き方改革と13次防初年度という2つのエポック。平成30年は、安全衛生が新段階を迎える年といえるだろう。

掲載 : 安全スタッフ 平成30年1月15日第2298号

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