【ひのみやぐら】長時間労働減へ文化を改革

2017.08.10 【ひのみやぐら】
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 「長く働いた人が評価されると思っている」「上司が帰らないと部下は帰宅できない」「自分が納得するまで仕事をしてしまう」――。生産性とは関係のないところで、長時間労働となっていることが少なくない。もちろん、経済的な理由などで長時間労働が強いられていることも多いが、前者のような企業文化に根がある要因は、根絶していくべきだろう。「働き方改革」を進めている今、この流れを止めてはならない。

 本誌特集Ⅱでは、前号と今号の2回にわたって元労働基準監督署長の八木直樹さんに「過重労働による健康障害防止対策」と題し、執筆していただている。八木さんは、「わが国では労働力人口の大幅な減少が予想されているなかで、女性や高齢者の活用が重要な課題となっており、労働者の健康はもとより、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためにも長時間労働を是正しなければならない。労使が協力し、働き方の根本にある『長時間労働の文化』を変えることが強く期待される」と指摘する。女性に限った話ではないが、常に定時に帰るのが難しいというのであれば、保育園への送迎や行事に参加し辛いということもあるだろう。子育てと仕事の両立の厳しさを痛感し、2人目の子供はためらってしまうかもしれない。長時間労働が改善されない限り、少子化は止まらない。過労自殺や健康障害防止は当然のこととして、わが国が人口減少社会に向かうなかで、国際競争力を阻害する長時間労働は解消されるべきであり、そのためには文化を変える必要があるというわけだ。

 こうした状況を受け、進歩的な企業では時代の変化に柔軟に対応しようという動きがある。「トップ&キーマンいんたびゅう」では、長谷工コーポレーションの早坂淳子さんに女性職員だけで施工した現場の活動を聞いているが、職場環境づくりに大いに力を入れたそうだ。保育園への送り出し時間を配慮した「子育てパパママ朝礼免除制度」などは興味深く、ぜひこちらも一読をお勧めしたい。

 長い時間働けば業績が上がる時代は、終わった。現在は、仕事と生活のバランスをとりながら、効率よく生産性を高める方法を考えていくことが求められる。

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平成29年8月15日第2288号 掲載

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