【ひのみやぐら】ポケットハンドの危険性

2014.01.15 【ひのみやぐら】
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 寒い日がまだまだ続く。身をこわばらせながら通勤する会社員のなかにはコートに手を入れたまま歩いている姿をしばしば目にする。

 ポケットハンド、ハンドポケットともいわれるが、これが実に危険だ。寒い日に手がかじかまないように暖をとるために、コートや上着のポケットに手を入れる行為だが、見栄えも悪いとしてポケットハンドを禁止する会社は少なくない。

 それでは、転倒時に手をつく行為は正しいといえるのだろうか。ある柔術の指導では、転ぶための方法として「手を使わない」「かかととお尻を近づける」「背中を広く使う」といったことを提唱している。

 以前、本誌で古武術介護の岡田信一郎さんに転倒しても大ケガにつながらない「上手なこけ方」を写真入りで解説してもらった。それによると、転びそうになったら踏ん張らないことが大切なポイントだという。体に力が入るとつい手を地面につけてしまい、手や手首を痛めてしまうらしい。

 「あぐら」をかく感じで、自分がボールになったとイメージするのがいいらしい。

 こうしてみると、手をついたらいけないということなら、ポケットハンドでもいいのでは、との疑問が浮かぶ。でも、これは大いに違う。雪国では常識らしいが、足元が危ないのにポケットに手を入れることは、バランスが取りにくく、大きな事故への可能性が広がるという。ポケットハンドの状態で転倒し、内臓破裂して死亡した事例もある。ポケットハンドではなかったなら、たとえ手をついたとしても、手首のねんざ程度で済んだかもしれない。

 寒い日が続く。暖をとるには、手袋を着用し、決してポケットに手を入れないよう習慣化が必要だ。「ポケットハンド禁止」を全社的に展開したい。

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平成26年1月15日第2202号 掲載

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