障害者と社会をつなげる/経営労務サポートオフィスぶどうの樹 森 千晴

2013.01.21 【社労士プラザ】
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経営労務サポートオフィスぶどうの樹
森 千晴 氏

 名刺を交換させていただくと必ず事務所の名前の由来を尋ねられる。「ぶどうが好物なのですか」、「ワインが好きだからですか」。社労士事務所らしからぬ名前であるから仕方がない。それがお酒の入る場面であればにっこり微笑み、「そうなんです。特に赤が好きで…」と返すが、実の所は新約聖書のヨハネによる福音書の中の「わたしはぶどうの木あなたがたはその枝である」に由来する。

 私の勝手な解釈なのでお叱りを受けるかもしれないが、ぶどうの房は木につながっていないと豊かに実ることはできないし枯れてしまう。同様に人は社会という木につながっていないと生きてはいけない。ぶどうの木が枝を大きく伸ばし、豊かに実った房がたわわになるのと同様に、労使の分け隔てなく社会全体で豊かに大きく実りたいという願いを込めた。

 当事務所では労務管理のほか、障害年金の手続きの代理業務に力を入れているが、障害年金のご相談をいただくのは精神障害者の方が圧倒的に多い。会社でのパワーハラスメントやいじめが原因となって精神状態が不安定になり、うつや統合失調症を発症したといわれる人が増えている。

 実際にパワハラがあったかどうか知る由もないが、会社側に相談しても思い過ごしだといわれ対処してもらえなかったそうだ。これらの病気は総じて対人関係が苦手であり、健常者には何気ない言葉でもたいそう深刻に受け止めるようである。誤解により上司、同僚との軋轢が生じることのないよう職場内でのコミュニケーションを図るように努めることが重要である。

 ところで平成24年8月に厚生労働省の研究会が「精神障害者を雇用義務の対象とすることが適当である」と発表し、精神障害者の雇用が義務化される流れにあった。これは政権が代わった後も早晩義務化されるであろう。精神障害者の方々の就労意欲は高く、誰かに必要とされたいという思いも強い。病気の種類により特性が異なるので対応の仕方を病気によって変える必要があるが、まじめで誰かの役に立ちたいという気持ちが強い人が多いので、必ずや戦力になってくれるであろう。すべての人が社会とつながり、経済的にも精神的にも豊かになれることを強く希望する。

経営労務サポートオフィスぶどうの樹 森 千晴【岐阜】

【公式webサイトはこちら】
http://www.sr-medical.jp/

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    平成25年1月21日第2905号10面 掲載

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