障害者雇用支援が使命/ダンウェイ株式会社 代表取締役 高橋 陽子

2017.06.25 【社労士プラザ】

 私は、総務・人事系の勤務経験後、息子の障害をきっかけに、社会保険労務士の資格を取得。主に中小企業において障害者雇用を進めることを主な目的にし、2010年に社会保険労務士事務所を開業した。

 障害者雇用には、特例子会社設立から、本体と特例子会社との狭間の調整役となる経験もあった。

 しかし、リーマン・ショック後ということもあり、多くの経営者は、「障害者雇用なんて無理」、「あなたには経営者の大変さや気持ちが分からない」など、障害者雇用に対する理解はとても厳しいものであった。

 正直悔しかったが、ふと「私は確かに経営者の気持ちが分からない。ならば経営者になればいい」と考え、2011年、主に障害者就労支援事業を行うダンウェイを設立した。

 同時期に、前神奈川県知事のマニフェスト政策評価を行っていた。障害者や高齢者が安心して暮らせるまちづくりの政策評価が中心だった。

 ここで初めて、障害者を取り巻く福祉が大きな課題を抱えていることに気付き、本当にショックを受けた。国や自治体は、何十年もの間、多くの福祉施策を打ち出してきたが、根本的な課題解決には至っていない。

 障害者雇用は対象者の2割程度しか進んでおらず、福祉の1人当たりの平均工賃は、約1万2000円/月。工賃倍増計画策定5年後の結果は1万4000円/月。新聞の見出しには、「工賃倍増絶望」の大きな文字が並んだ。法律が縛る最低金額はたった3000円/月だ。

 また、工賃を支払う、福祉の障害者就労支援の現場では、就労支援をすべき時間に、支援者の営業不足を棚に上げ、「仕事がないから」という理由でカラオケをやっていた。正直、障害のある息子の親なき後の安心した暮らしは、このままでは絶望であるとも思い、自らの挑戦のきっかけともなった。

 働ける障害者、働けない障害者とは、いったい誰が決めているのか。

 障害者は、日本の人口の約7%。未だ、障害者に会ったこともないし、一緒に働いたこともない人が多いはずだ。障害者に寄り添う側にも課題があるのではないか。

 私たち社会保険労務士は、労働の専門家である。

 人の得意な分野を見つけ出し、秘めた可能性を切り開く役割がある。

 私たちがこの大きな課題解決に立ち向かわず、いったい誰がやるのか。一緒にチャレンジしようではないか。

ダンウェイ株式会社 代表取締役 高橋 陽子【神奈川】

【公式Webサイトはこちら】
http://www.danway.co.jp/

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掲載 : 労働新聞 平成29年6月19日第3117号10面

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