心の健康対策で企業発展へ/㈱プラネット 代表取締役 根岸 勢津子

2014.02.03 【社労士プラザ】

㈱プラネット 代表取締役 根岸 勢津子 氏

 企業防衛の視点に立ったメンタルヘルス対策を事業化して、8年目に入った。従業員の健康管理や安全配慮に関する企業の義務は、一体どこまで求められるのか。労災に認定されないことが、その線引きなのか。いろいろな疑問を抱えながら、企業の様ざまな相談に乗ってきた。

 ここ最近、メンタルヘルス対策を真の経営課題として捉える企業が、わずかながら増えてきたという感じを受ける。10年前、企業にとってのメンタルヘルス対策とは、すなわち不調者への対応を指し、5、6年前からは、予防の考え方が出てきたものの、体の健康管理の延長線上が主流であった。そして、数年前から企業リスクマネジメントという、ややネガティブとも取れるような見方に混じって、やっと、企業のサステナビリティ(経済的発展はもとより、環境面や社会的側面において、長く社会に貢献できる可能性)やCSR(企業の社会的責任)を具現化する要素の一つとして捉える企業が出てきた。これは私が、創業当時より提唱していた考え方であるから、大変うれしく思う。

 私は、常日頃から企業防衛を前面に押し出した話し方をしてきたが、企業と労働者が敵対するような構図なのかと誤解されることがある。確かに労使紛争だけを取り上げれば、そのような見方もあり得ようが、私が企業を防衛したいのは、「企業価値の低下」というリスクからである。そして、企業価値とは何によって測られるかといえば、サステナビリティではなかろうか。長年にわたって築き上げてきた信頼や、信用、そしてブランドイメージなどが、たった一度の不祥事で失われる事例を、私たちは、これまでたくさんみてきた。その不祥事のなかには、従業員の健康管理や、労働環境を原因とするものも含まれる。

 グローバル化、多様性が叫ばれて久しいが、それは多種多様な価値観のなかで成果を上げなければならない、ということでもある。そんななか、これからの企業がめざすのは、従業員の健康づくりを支援することにより、社内外により良い影響を及ぼすことではないか。心身の健康管理に要する時間やお金を、企業の持続性のための投資と考える企業には、大きな発展が期待できると信じたい。

㈱プラネット 代表取締役 根岸 勢津子【東京】

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掲載 : 労働新聞 平成26年2月3日第2955号10面

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