重要性増すパワハラ対応/千瑞穂パートナーズ 千瑞穂社労士事務所 上中 裕理

2019.11.03 【社労士プラザ】
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千瑞穂パートナーズ 千瑞穂社労士事務所 上中 裕理 氏

 今年7月8日付本紙でも取り上げられていたが、民事上の個別労働紛争の相談内容で、「いじめ・嫌がらせ」が大幅に増加し、8万2797件に上っている。この10年ほどで2倍以上に増加しており、私自身の日々の業務でもパワハラ相談を受けることが非常に多くなったと感じている。

 しかし、パワハラについて申告を受けた際の企業の対応はなかなか難しい。申告を受けた場合、企業は、事実関係の迅速・正確な確認を行った上で、確認された事実に基づく対応を実施することになるが、この「事実関係の迅速・正確な確認」が難しいのである。

 「事実関係の迅速・正確な確認」では、はじめに関係者のヒアリング・証拠の収集を行い(①事情聴取・証拠収集の段階)、そのヒアリング結果や証拠に基づいて、どのような事実があったのかを認定したうえで(②事実認定の段階)、認定された事実に基づいて、ハラスメントに該当するか否かなどを判断することになる(③評価の段階)。

 ①事情聴取・証拠収集の段階でも、「被害者・加害者の言い分を中立に聞く必要がある」、「事情聴取書などの書面を作成しておく必要がある」といった難しさはあるが、とくに難しいのは、②と③である。

 たとえば、②事実認定の段階で、被害者は「加害者から『お前は会社のお荷物だ』といわれ、頭をげんこつで殴られた」と発言しているのに対し、加害者は「そのような発言はしていない、応援の意味で頭をポンと叩いただけだ」と発言しているなど、両者の言い分が食い違うことは少なくない。このような場合、企業は、裁判所の行う事実認定に似た作業を求められることになってしまう。

 また、事実認定が終わった後にも、その事案について、どのように評価するかという③評価の段階が残っている。評価の段階では、多数の裁判例や厚生労働省の例示などを踏まえ、適切な評価を行っていく必要がある。しかし、過去の裁判例などと同じ事例というものはほとんどなく、評価の段階でも悩ましい事案は少なくない。

 私の事務所では、元裁判官の弁護士を含む、企業側に特化した法律事務所とグループを組んでおり、ハラスメント対応について万全を期した態勢としているが、私自身研鑽を積んでいる状況である。パワハラについては法改正もなされ、今後ますます相談は増えるものと思われる。

 今後も研鑽を積み、クライアント企業の安定的な発展に貢献していきたいと思っている。

千瑞穂パートナーズ 千瑞穂社労士事務所 上中 裕理【大阪】

【公式webサイトはこちら】
https://www.sennomizuho.biz/

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令和元年11月4日第3231号10面 掲載

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