人生設計から課題明確に/びいず社労士FP事務所 所長 佐藤 文子

2014.06.09 【社労士プラザ】

びいず社労士FP事務所 所長
佐藤 文子 氏

 日本版401kと呼ばれる確定拠出年金法。その制定目前に開業して14年目を迎えた。当初から企業年金に強い社会保険労務士として特色を出していこうと考え、退職金制度のコンサルティングの傍ら、投資教育の講師としても確定拠出年金導入の現場を多数経験した。その延長線上でライフプランセミナーを引き受けるようになって10年、振り返れば4000人を超す受講者のライフプランに接してきたことになる。うち約3000人は定年を控えた55歳である。

 セミナーのおおまかな内容は次のようなものだ。①平均余命からこれから考えるべき期間の長さをイメージする。②公的年金と企業年金の受給額を企業年金からの試算表と夫婦のねんきん定期便で確認し、一覧図にまとめる。③雇用保険の給付や在職老齢年金について知り、定年後の収入が単純でないことを理解する。④確定申告の仕組みを知り、税金をあなた任せにすべきでないことに気付く。⑤いつか来る終末の準備を考える。⑥家計のキャッシュフロー表を作ってみる。⑦資産運用の考え方を確認する。定年後のキャリアを考えてもらったり、介護や健康についてグループで話し合ってもらうこともある。

 この10年で55歳へのアプローチは変容した。10年前は60歳から厚生年金が受給できたが、今年の55歳は年金が64歳からしかもらえないこともあり、再雇用を希望する人しない人の割合が逆転した。10年前は「無趣味の人は余暇をもてあまさないよう今から趣味を」と勧めたが、最近はそんな人はごくまれだ。また、同居の子どものほとんどが成人していたが、最近ではまだ小学生というケースもある。生き方が多様化していて、モデルケースで片付けられない。自分のプランを作ってみることで課題がみえてくる。

 ライフプランが大切なのは、定年前に限らない。将来を見据えることで、いま自分が仕事とどうかかわるべきかがみえてくることも多い。小規模企業でもライフプランセミナーを自社開催したいという社長さんもいらっしゃる。「これからどんな人生を送っていくか」を考える途上に、「いまの会社でどのように能力発揮するか」は必ず出会う課題になるはずだからだ。

社会保険労務士法人びいずろうむ 所長 佐藤 文子【愛知】

【公式webサイトはこちら】
http://www.b-z.jp/

※タイトルの社名は連載時のものです。

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掲載 : 労働新聞 平成26年6月9日第2972号10面

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