「現代型うつ病」対策を/アドバンス社会保険労務士法人 代表社員 長沢 有紀

2012.01.16 【社労士プラザ】
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 社会保険労務士として中小企業の人事労務に携わり18年目となるが、最近顕著に現れてきているのが社員の「うつ病」問題である。

 比較的規模の大きい事業所では、以前からメンタルヘルスに対する関心は深いものがあったと思われるが、私が実際の実務でかかわることはそう多くはなかった。ところが最近では中小企業でもいわゆる「現代型うつ病」を発症した社員の対応に迫られるケースが増えてきている。従来のうつ病とは何が違い、どう対応していかなければならないのだろうか。

 現代型うつ病の特徴としては、「自らうつ病と公言する」「治療には積極的だが自分の意に反することには否定的」「うつ病は会社のせいとする会社への強い非難感情」「職場復帰はできる限り先延ばしにする」などが挙げられ、確かに従来のうつ病とは異なる。それでは、会社はどう対応していけばよいのか。

 うつ病を発症してしまったら就業させるのは困難であるから、休職させることが第一の対応策である。しかし就業規則等での根拠がないまま休職させてしまうと、その後も毅然とした対応がとれずに時間だけが過ぎていくという状況になりかねない。しっかりとした休職規程を定め、規程に基づいた措置をとることが必要である。うつ病は外傷などと違い病気の程度と治癒の判断が難しく、また治癒と再発を繰り返すことも多い。従来の一時的な傷病を想定した休職規定ではうつ病には対応できない。

 休職規定に必要なのは主に次の事項である。「会社の命令」で休職させることができるか、「会社の産業医への受診命令」が可能であるか、「会社が復職の可否を判断する」ことができるか、「休職期間」は適正か、「休職期間の通算制度」はとられているか、「休職期間満了時の措置」は明確になっているか。これらをきちんと規定し、会社がイニシアティブをとって対応していかなければならない。企業は営利団体であるのだから、対応には一定の限界がある。会社に体力がなければ退職させることも検討しなければならない。しかしその場合解雇としてしまうと、合理性が厳しく問われるのは既知の事実である。就業規則による枠組みをきちんと整備し、会社として統一された対応をしていくべきである。

アドバンス社会保険労務士法人 代表社員 長沢 有紀【埼玉】

平成24年1月16日第2856号10面 掲載

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