【道しるべ】現代型うつ病 自己中心的な自信家青年に多い!?

2012.04.15 【ひのみやぐら】
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 「自分自身のやり方や考え方へのこだわりが強い」、「根拠のない自信と漫然とした万能感を持つ」、「社会の規範や規則はストレスと考える」……等々の性格を持つ20代~30代の青年が、職業生活において次のような症状を呈するようになるのが「現代型うつ病」だという。

 ①漫然とした倦怠感や、何だか調子が悪い感覚がする、②ストレスな状況に対しては、それを回避することによって自分を守る、③休みの日になると症状が和らぎ、気分転換などに出かけられる、④会社が悪い、上司が悪いと他者への非難を繰り返す。

 以上の説明は一般社団法人メンタルヘルス管理士協会の奥山惠一さん(代表理事)によるもの。従来型うつ病が中高年を中心に「社会的役割・規範を重視し、自分に厳しく几帳面で、周囲への気遣いに長(た)け、仕事熱心な人」に多く見られるのとは対照をなしているという。罹患したときの受け止め方も、従来型が自責の念に駆られるのに対し現代型は他罰的になる傾向が強いそうだ。

 いずれの場合であれ発症前後の業務管理に配慮を要するのは同じだが、新しいタイプの職場不適応者に対するとなると、心理状態の見極めやら接し方とかに頭を悩ませている管理者が結構多いのではなかろうか。 

 例えば冒頭に記したような性向の持ち主がいたとして、チームワークや協働作業に馴染まぬのはともかく、業務遅滞などでの落ち込みを他人のせいにして省みないところがあったりすると、職場に無用な軋轢を生じさせる。その種の弊害を未然に抑え、併せて本人の精神的不調を考慮しながら管理に当たるというのは難しい。

 事例としては必ずしも当てはまるものでないかもしれないが、本号の「裁判例が語る安全衛生事情」には、コンピュータのシステムエンジニアが入社2年後にうつ病と診断されて休職するまでの経緯が紹介されている。若いうつ病患者への管理と対応のあり方を考えるうえでの参考にしていただければと思う。

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平成24年4月15日第2160号 掲載

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