【道しるべ】忠言回顧 辛口意見は現状への問題提起

2012.12.15 【ひのみやぐら】
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 回顧といっても遠い過去に遡ってのことではない。ここ一両年、本誌インタビューで辛口な意見が印象に残った幾人かを想い起こしながらの、発言再録である。

 「安全・安心という響きのいい心地良い言葉にごまかされて、“絶対安全”以外はすべてダメであるかのような風潮がある。しかし、安全・安心について考える場合には、同時に受け容れなければならないリスクの存在についても認識しなければならないのに、その説明が省かれてしまっている。そうした傾向や事象は、安全の本質に無理解な短絡的な要求でしかない」

 「今のマニュアル人間的な人たちは、既定のルールとか手順を外さなければ安全が保たれると思い込んでいるフシがある。また、安全面の措置が拡充されるに従って危険に対する想像力が働かなくなっていて、自分の判断で回避行動をとろうとしない」

 「安全に関する自立というのは、禁止されていることをやらない、決められたことだけをやるというのではなく、危険というものに自然に意識が向き、それを確認しながら行動できることであって、ルールがあるから守るだけのレベルでは自立とはいえない」

 「安全というのは仕組みだけではなく、どれだけ人の意識をそこに向けられるかがポイント。つまり、いかに人の気持ちに火をつけ動かすかが重要で、それが災害に対する最大の攻撃にもなる」

 「安全に施工できる状況をつくる。それがプロの職人としての仕事だろう」

 「メンタルヘルスの実情は、心が病んで精神活動に不調が生じてからしか関心が持たれず、行動も起こされていない。“肉体は健康で考え、精神(こころ)は病で考える”のは心身の健康上ひどくアンバランスで偏った状態だ」

 ほかにも「社員は財産。安全を二の次に考えるなら会社をやめたほうがいい」などがあるのだが、紙数が足りない。

 紹介した諸意見については“忠言耳に逆らう”とせず、安全を真摯に考えればこその問題提起と受け止めたい。

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平成24年12月15日第2176号 掲載

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