気軽な法律相談窓口に/APO-社会保険労務士法人 代表社員 三浦 俊彦

2016.06.15 【社労士プラザ】

 社労士として仕事を始めて15年が経過した。

 資格取得当初は書類の作成を第一に仕事をしてきたが、顧客の要望に応じているうちに労務コンサルティングが増え、近年はこちらがメーンになっている。

 労務コンサルティングといってもその内容は様ざまだが、なかでも労務リスクから企業を守ることを一番に考えている。IPOセミナーなどで話す機会も多いが、現在は、すべての企業が潜在的なものも含め、何らかの労務リスクにさらされているといっても過言ではない。

 未払い残業代、固定残業手当、メンタル不調者への対応などが主な労務リスクとしてあるが、これらを未然に防ぐことが重要であり、日々アドバイスに努めている。しかし、現実に問題が生じないと対応しない経営者が多いのが実情だ。さらに、当法人の顧客に多い外資系企業の場合は本国の影響が強く、日本の労働法関係をなかなか理解してもらえず、英語で説明をすることも多い。

 一度問題が生じれば、その対応は多岐にわたる。たとえば、解雇無効の訴えが和解合意により終結することも多いが、退職日が当初の解雇日より先に延びると、いったん喪失した社会保険関係の資格喪失取消手続き、合意退職日での喪失手続き、労働保険年度更新の再確定申告などに加え、退職日延長による未払い給与の遡及支払いが発生することもある。

 さらに、遡及支払いが年度をまたげば、再年末調整や給与支払報告書の再提出、法定調書合計表の訂正作業など、実際の作業範囲は様ざまな分野に及ぶ。労務トラブルが発生した場合には、早めの和解で解決するというのが企業の取るべき最善策といえるだろう。とはいえ、リスクを未然に防ぐことができていれば、トラブルが起こり得なかったことを考えると、就業規則改定や社内制度の整備など、事前対応の大切さを実感している。

 訴訟のプロは弁護士だが、労務関係の周辺業務は社労士が強い分野である。弁護士に問い合わせるほどではないが、法的観点からアドバイスが欲しいといった企業の要望は、今後社労士に求められてくる機会が増えると思う。企業を労務リスクから守るため、気軽に問合せができる法律相談先として、今後も経営者の要望に応えられる仕事をしていきたい。

APO-社会保険労務士法人 代表社員 三浦 俊彦【東京】

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http://www.apoutsourcing.jp/company03.html

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掲載 : 労働新聞 平成28年6月13日第3068号10面

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