災害関連死の申請に関与/吉田昌樹社会保険 労務士事務所 吉田 昌樹

2012.10.22 【社労士プラザ】
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 昨年発生した東日本大震災からもう1年半以上経過し、すでに風化したような感も否めないが、皆さまの地域ではいかがだろうか。

 しかし、ここ福島県では風化どころか、原発事故による放射線の影響もあり、震災前の生活が一変したまま、復興・復旧とはほど遠いありさまである。

 とくに私の住んでいるいわき市では、避難区域から来られた多くの方々が、市内の仮設住宅で不便な避難生活を強いられている。家や仕事を奪われやむなく避難してきた方々と、お互いうまく共存していかなければと思っている。

 いわきでは、最近次のような事象がみられる。

 ①週末などは市内の幹線道路が大渋滞。また、アパートは空室がなく中古住宅は飛ぶように売れている。

 ②道路や原発の復旧工事、除染作業で、建設業はプチバブル。ホテル業や飲食業も需要旺盛だが漁業は超低迷。

 ③原発工事の多重構造の請負で、元請会社が下請孫請等末端の全事業所に、雇用保険の被保険者台帳の提出を求めている。一説によると、他の原発で18歳未満の者を有害業務に就かせていたため年齢確認のためとのこと。

 また、大震災では忘れられない仕事があった。

 友人の紹介で大震災直前の2月末に、呼吸不全のため24時間人工呼吸器で生活されていた方の、障害厚生年金の裁定請求をした。

 それから大震災が起こり、度重なる余震で自宅付近が停電し、人工呼吸器が止まったことからすぐに救急車を要請。市内の病院に搬送されたものの、数日後に亡くなった事例である。

 新潟県中越大地震の際の政府の災害関連死の通達文を思い出し、“ダメ元”で申請してはと奥様に告げ、昨年7月に災害関連死として災害弔慰金を申請した。障害年金の請求時に収集した診断書類をほぼフル活用したため、改めて集めた資料等はなく、電力会社での停電事実の裏付けと、申請に当たり申立書を作成した。

 そして、今年1月に結果が届いた。「死亡は、余震によって環境が激変し、既往症が増悪したことによるもの」という申立てが全面的に認められ、災害関連死と認定され災害弔慰金500万円が全額支給された。奥さまから大変感謝されたことは言うまでもない。

吉田昌樹社会保険 労務士事務所 吉田 昌樹【福島】

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平成24年10月22日第2893号10面 掲載

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