【今週の労務書】『「主体性」はなぜ伝わらないのか』
2025.08.02
【書評】
若手と上司で認識に差
「主体性がない」と評価をする世の中で、そもそも「主体性」とは何を意味し、どのような言動から評価されるものなのか。本書では、「企業が求める主体性」に焦点を当て、データ分析をとおしてその意味を紐解いていく。
興味深いのは、若手と上司とで、主体性の認識にギャップがあるという点だ。若手は学生時代の名残で、自分の考えを発言するだけでも主体性を発揮したと捉えがちだ。しかし上司は、ただ発言するだけでなく、それが「仕事につながる発言」であるところまで求める。
だがそもそも若手が発言しなければ、上司は認識差があることにすら気付けず、差を埋めることができない。発言の促し方や、主体性の発揮を後押しする「仕事を面白くする方法」まで解説する。
(武藤 浩子 著、筑摩書房 刊、990円、TEL:03-5687-2601)
令和7年8月11日第3508号16面 掲載