【ひのみやぐら】建設業の働き方改革を進める

2025.07.10 【ひのみやぐら】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 働き方改革関連法そのものが始まったのが2019年の4月。建設業は、労働環境にさまざまな問題が生じていたことにより、時間外労働の上限規制適用は5年の猶予期間が設けられていた。

 2024年4月に上限規制が適用されてから約1年が過ぎた。建設業は社会資本の担い手であるとともに、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う「地域の守り手」として重要な役割を果たすべき存在。これまで以上に働き方改革の推進が求められているところだが、現場においては必ずしも効率的な工事が実施されているとはいい難いのが現実だ。

 最も深刻な原因は、人手不足だろう。少子高齢化でさまざまな業界で人手が足りず頭を抱えているが、とくに建設業では厳しいといわざるをえない。少ない人員で現場を回すとなれば、一人当たりの労働時間を増やして対処することになる。こうした長時間労働がさらに若者の建設業離れの原因となり、悪循環が繰り返される。長時間労働は、作業者の負担増加や健康を損なうリスクにもつながる。

 工期の問題もクリアされたとはいえない。屋外で行う建設工事は、天候の影響を少なからず受けるため、大雨で予定が遅れた場合は、工期変更が必要となるケースが出てくる。顧客の理解を求めることになるが、いつもスムーズに話がまとまるわけではない。

 こうした背景を踏まえ、国土交通省では「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」を実施し、モデル事業として建設企業を公募した。特集2で紹介する企業は、モデル事業として効率的な建設工事の促進に向けた取組みを行っているところだ。

 記事で紹介している企業のほかにも、書類作成をバックアップする建設ディレクターの配置や下水道カメラ調査をDXの活用によりオペレートを現場からオフィスに移行させる取組みなど参考になる事例が紹介されている。

 建設業界は、若い世代の入職・定着が進んでおらず、依然として就業者の減少が続いている状況だ。若者から選ばれるためにも働き方改革を進め、労働条件の面でも魅力ある産業へと変わらなければならない。

2025年7月15日第2478号 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。