【ひのみやぐら】若手作業員の育成図る

2018.10.09 【社説】
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 以前、とびの会社を訪ねたときのことだ。取材を終え、社長自ら車で駅まで送ってくれた。ハンドルを握りながら「15、6歳の子が入ってくれました。まさに金の卵ですよ」と嬉しそうに話してくれた表情が印象に残っている。「金の卵」といえば昭和の高度経済成長時代、あどけない顔をした少年少女たちが集団就職で列車に揺られながら上京する映像が脳裏に浮かぶ。平成ももうすぐ終わろうとしているが、少子化を迎えた現代では昭和とは違う意味で、宝石のように貴重な人材の原石に違いない。

 なお、とびという仕事は、素人にとっては身がすくむような高所で作業をしている。体力的に高齢になっては、なかなか厳しい業務だ。他の産業と同じように建設業も高齢化の波にさらされているが、若い労働力には一層のまぶしさを感じるところがある。

 さらに建設業では、大規模自然災害に対する国土強靭化や東京五輪などで需要が回復しており、人手不足が慢性化している。影響は施工だけではなく、労働災害防止対策にも響いているのは、皆の知るところだろう。日常の安全衛生管理で、大きな役割を果たすのが職長だ。安全のキーマンと呼ばれる職長が現場をうまく束ねることで、労働災害防止を図ることができるというものだが、人手不足の状況下では経験の浅い者が担当するという事態も起きている。

 若者の確保と育成、安全意識の高い職長をいかに育てていくかは、現場共通の課題といえる。今号、特集1では長谷工コーポレーションの「安全大将」任命制度を紹介する。若手作業員の育成を目的に取り組んでいるもので、朝礼時の進行や作業前KYミーティングなど職長とは別にリーダー的役割を経験させることで、安全意識が自然に芽生える効果を狙っている。いわば職長になるに当たっての〝助走期間〟だ。若いときにつける力は安全の土台づくりになるといえる。

 少子高齢化の時代、若い世代に懸ける期待は大きい。若手の成長をどう促すか、どう生かしていくかは、企業が試されるところだ。同社の施策はよいヒントになるだろう。

平成30年10月15日第2316号 掲載

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