【今週の労務書】『社会に出る前に知っておきたい「働くこと」大全』
2025.05.17
【書評】
課題図書として最適
労働法研究の第一人者が「全社会人と学生・生徒の必須教養」として記した一冊。働くことに詳しい伊達(職業・年齢不詳)が社会人2年目、大学3年生、高校2年生の男女に、神楽坂や飯田橋、銀座のカフェで、議論を交わしながら知識を伝授していく、という構成だ。
内容は働くことの「意味・歴史」から始まり、「未来」で終わる。通読すれば日本型雇用の誕生・発展・変化の歴史的な経緯や課題、現行労働法の規制の大枠が把握できる。「意味・歴史」はベテランの人事担当者でも「初めて知った」となる場面が多いだろう。
企業としても、新入社員がここまで理解をしたうえで入社をしてくれるのであれば心強い。内定者の「課題図書」として活用したい。
(水町 勇一郎 著、KADOKAWA 刊、税込1980円、TEL:0570-002-301)
令和7年5月19日第3497号16面 掲載