「ビジネスと人権」に対応/さなみ社会保険労務管理事務所 真見 敬
大学卒業後、従業員が1万人以上いる上場会社に入社した。事務系総合職として7年が過ぎたころ、自分自身のスキルで身を立てていきたいと決意して退職した。その後、社労士試験を受験し、なんとか1回で合格してすぐに開業登録し、昨年で20年が経過した。
おかげさまでお客様にも恵まれた。この間にいろいろな出来事があったが、中でも社長とごく数人の従業員しかいない創業間もない状況の時からお付き合いさせていただいている企業2社が順調に成長をして東証に上場を果たしたことが本当に嬉しい。
開業間もない時、当時の東京都社会保険労務士会の支部長からは「会務に携わった方が支部の行事などに参加することで仕事のモチベーションも上がるのでは?」と声をかけていただき、それ以来、支部では委員長や地区長、会計などを経験してきた。東京社労士会からは都立高校での講師も拝命し、母校で講演を行うなど、貴重な経験をさせていただいている。また、6年前から全国社労士会連合会の国際関係の委員会の委員を拝命している。
国際委員会の活動を続けるなかで、連合会からビジネスと人権に対応できる社労士を育成するという方針が出され、研修を開催していく運びとなり私もそのプロジェクトの一員に加えていただいた。ビジネスと人権に関する勉強を進めていくと、企業が事業活動を行ううえで人権尊重責任を果たすことが国際的には必須となっていることや、この流れが遅からず日本にも来て、会社が対応を迫られる状況になること、その対応には労働社会保障の専門家である社労士が適しているということを確信した。
研修は、ILO駐日事務所の技術協力を経ていて内容も充実しており、初級編のeラーニングを終えた社労士が上級編に進める仕組みである。上級編はeラーニングの終了後に課題を提出し、2日間の対面セッションを受講する。対面セッションではグループワークやロールプレイを通じて実践スキルを身に付けることができるようになっている。今年度も全国各地で上級研修が開催され、私も全体ファシリテーターとして研修に携わる予定である。ビジネスと人権に取り組む社労士の仲間ができる貴重な機会にもなるので、研修への参加をぜひお勧めしたい。
私が願っているのは、人が社労士と聞いて何をする職なのかがすぐに分かってもらえるくらい社労士の知名度を上げたいということだ。今後もお客様には誠実に対応し、ビジネスと人権対応という新たな職域拡大にも積極的にかかわることで社労士の知名度やイメージのアップに役立ちたい。
さなみ社会保険労務管理事務所 真見 敬【東京】
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